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ヤクルト製品の効果

ヤクルトとミルミルは一緒に飲むと効果はどうなるの?【ダブル飲用】

投稿日:2019年10月27日 更新日:

ヤクルトとミルミルの併用

ヤクルトが販売しているヤクルトとミルミル、CMでご存じの方は多いと思います。

でも「どっちもお腹に良い商品なんでしょ?」「同時に飲んでも良いの?」

などヤクルトとミルミルの違いを言える人はあまりいません。

ヤクルトとミルミルを一緒に飲めば(ダブル飲用すれば)どのような効果があるのか、また効果的な飲み方はあるのか、記事にしました。

ヤクルトとミルミルは何が違うの?ダブル飲みすると何が起こるの?

「ヤクルトとミルミル、どちらもお腹に良い商品なので何が違うのかわからない」という方も多いのではないでしょうか?

結論から言えば、あなたがヤクルトとミルミルを飲めば小腸と大腸の両方で腸内フローラが改善され、またヤクルトとミルミルそれぞれ独自の効果も得られるという健康に非常に良い効果が期待できます。

まずはヤクルトとミルミル、両者の違いを解説します。

ヤクルトとミルミル:厚生労働省令による分類

ヤクルトとミルミルは商品の区分がまず異なります。

ヤクルトは乳製品乳酸菌飲料でミルミルははっこう乳です。

両者の違いは商品に含有される無脂乳固形分の割合と、1mlあたりに含まれる乳酸菌数または酵母数の違いにより分類されます。

詳しい乳酸飲料とはっこう乳の違いは一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会のHPに掲載されていますのでご覧ください。

今回の記事はヤクルトとミルミルを併用した場合の効果について掘り下げたいと思いますので、商品区分の詳細な解説は割愛します。

ヤクルトは乳酸菌が働きでミルミルはビフィズス菌が働く

ヤクルトとミルミルの法令上の区分はさておき、重要なのはヤクルトが乳酸菌を含有している商品で、ミルミルはビフィズス菌を含有している商品だということです。

ヤクルトには乳酸菌シロタ株という菌種が、ミルミルはビフィズス菌BY株という菌種が商品に含まれています。

では乳酸菌シロタ株とビフィズス菌BY株の働きの違いは何なのでしょうか?

乳酸菌シロタ株とビフィズス菌BY株に共通する役割

まずヤクルトの乳酸菌シロタ株とミルミルのビフィズス菌BY株に共通するのは腸内フローラの改善に働くという点です

詳しくは動画を見ていただければ分かりやすいと思います。

2分16秒で腸内細菌のことが凄くよく分かるのでお得です。

動画の内容を簡単にまとめると次のようになります。

ヒトの腸管、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内細菌叢(そう)や腸内フローラとよばれます)が生息しています。ヒトの腸内細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されています。これらの菌は互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっています。

厚生労働省e-ヘルスネットより引用

そしてあなたがヤクルトやミルミルを飲むことにより腸内フローラが改善されるのですが、その結果得られる効果は次のようなものがあります。

悪玉菌は、たんぱく質脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。一方、健康的な腸内細菌は、ビフィズス菌乳酸菌(正確には乳酸桿(かん)菌)などの善玉菌が優勢であり、その他の菌ができるだけ劣勢である状態です。善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ります。また善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生します。さらに善玉菌の体を構成する物質には、体の免疫力を高め、血清コレステロールを低下させる効果も報告されています。

厚生労働省e-ヘルスネットより引用

厚生労働省も認める腸内フローラ改善効果ですが、これらの効果に加えてヤクルトやミルミルには整腸効果、つまり便秘や下痢を改善する効果が認められています。

そしてヤクルトのシロタ株とミルミルののビフィズス菌BY株は働く場所が異なります。

シロタ株は主に小腸で、ビフィズス菌BY株は主に大腸で働くのです。

ミルミルとヤクルトの作用部位の違い

クレール日記「ヤクルト勉強会」より引用

ミルミルとヤクルトは作用する場所が異なるため、二つの商品を一緒に飲むことにより便通改善における相乗効果が期待できます。

ヤクルトに含まれる乳酸菌シロタ株特有の役割

整腸作用以外にもヤクルトに含まれる乳酸菌シロタ株は独自のはたらきがあります。

それはは免疫調整作用や感染予防作用です。

人間の体内で最も免疫細胞が多いのは小腸ですが、シロタ株は小腸でNK細胞という免疫細胞の一種を活性化させ、癌やインフルエンザを含む風邪症状の予防効果のあることが知られています。

詳細については別途記事を書いていますので参照お願いします。

記事⇒⇒ヤクルトを飲むと得られる効果は?お腹に良いだけじゃなかった

ミルミルに含まれるビフィズス菌BY株特有の役割

一方でミルミルに含まれるビフィズス菌BY株は主に大腸で糖質を発酵することにより乳酸と酢酸を発生させます。

酢酸の存在下では大腸菌などの人体に有害な菌は生育しにくく、乳酸菌とは異なった作用機序で腸内環境の改善に寄与します。

またビフィズス菌は血中フェノール濃度を低下させ、肌質の改善に寄与することがヤクルトの研究により明らかになっています。

詳細については別途記事を書いていますので参照をお願いします。

記事⇒⇒ヤクルトのミルミルの効果は腸内環境改善だけじゃない

ヤクルトとミルミルを一緒に飲んでも大丈夫なの?

ヤクルトとミルミルはそれぞれ菌が働く部位および作用機序が異なることがおわかりいただけたと思いますが、本当に一緒に摂取しても良いのでしょうか?

実はヤクルト公式HPでは、ヤクルトとミルミルを両方摂取することを推奨しています。

ヤクルトとミルミルの同時摂取

ヤクルト届けてネットより引用

ただの商売上手とも言えますが(笑)

具体的にヤクルトとミルミルを同時に飲むことでどのような効果があるかを検証したデータ、例えば下痢症状や便秘症状の改善効果がヤクルトとミルミルをそれぞれを単独で摂取した場合よりも高いことを示すデータはヤクルトHP上では見つけることはできませんでした。

しかし徹底的に腸内環境の改善をしたい方や腸内環境以外のいわゆる「体に良い」効果を期待するのであれば、両者を摂取することで相乗効果が得られるはずです。

例えばミルミルに含まれるビフィズス菌BY株で肌質を改善し、ヤクルトに含まれる乳酸菌シロタ株で免疫力が向上する、などが考えられます。

ヤクルトとミルミルを一緒に飲む場合、いつ飲めば良いの?飲む順番はあるの?

ではヤクルトとミルミルはいつ飲めば良いのでしょうか?

ヤクルトの公式HPから抜粋しました。

Q いつ飲むのが良いですか。

A 食品ですので、基本的にいつお飲みになられても結構です。毎日継続してご飲用していただきたい商品なので、1日の生活の中で、続けやすい時間帯にお召しあがりください。

ヤクルトの公式HPより引用

この質問に対する回答はヤクルト・ミルミルともに同じです。

つまりヤクルト・ミルミルはそれぞれいつ飲んでも良い、ということですね。

しかしこれはあくまでヤクルトまたはミルミルを単品で摂取した場合の話。

「同時摂取した場合はどうなの?いつ飲んでも一緒に飲んでも良いの?」という疑問を抱きましたが、公式HPに回答は見つかりませんでしたので直接ヤクルトに確認をしました

ヤクルトの回答としては次のようなものでした。

  • ヤクルトの乳酸菌シロタ株は主に小腸で働き、ミルミルのビフィズス菌BY株は主に大腸で働く。
  • 菌の働く箇所が異なるため、ヤクルトとミルミルは一緒に飲んでも、どちらが先でも、いつ飲んでも大丈夫

なるほど、ヤクルトとミルミルは順番や時間を気にせず飲んでも問題ないということですね。

ヤクルトやミルミルを一緒に飲むなら食後が良いの?効果的な飲み方は?

最後に一つ気になることがあったので確認をしました。

ネット上では「食後にヤクルトやミルミルを飲んだほうが効果が上がる。なぜなら食後の方が胃内のphが上がり(強酸から弱酸になり)菌が生きたまま腸へ届くからだ」

という記事があるのですが、これは本当なのでしょうか?

こちらもヤクルトに問い合わせをしましたが、回答は次のようなものでした。

乳酸菌シロタ株とビフィズス菌BY株は強い殺菌力がある胃液・胆汁などにまけずに生きて腸に届くよう強化培養しているため、敢えて食後に飲む必要ない。

強酸性下でも生存できるよう培養されたヤクルトの乳酸菌シロタ株とミルミルのビフィズス菌BY株は、胃内のphに左右されることなく生きたまま腸に届くということですね。

ヤクルトやミルミルを効果的に飲むには

そしてあなたがよりヤクルトやミルミルをより効果的に食べたいのであればオリゴ糖などと一緒に摂取することをお勧めします。

根拠としては次のとおりです。

また、辨野氏は「乳酸菌やビフィズス菌だけをとるよりも、それらの『エサ』となる食物繊維やオリゴ糖もたっぷりとるのが効果的。

ヘルスアップ健康づくりより引用

「オリゴ糖をとる」とありますが、正確には難消化性オリゴ糖です。

難消化性オリゴ糖はヒトに有益な細菌(乳酸菌)の増殖を促進させる効果があります。

宿主(人間)にとって有益な菌(乳酸菌)のことををプロバイオティクスと言いますが、有益な菌を増やす食品をプレバイオティクスと呼びます。

プレバイオティクスは大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分と定義した。

腸内細菌学会より引用

つまりヤクルトやミルミルはプロバイオティクス、難消化性オリゴ糖はプレバイオティクスです。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時摂取することをシンバイオティクスと言いその効果は臨床現場でも実証されています。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて応用する試みは、上記シンバイオティクスの概念が提唱される前から行われており、臨床現場においてはシンバイオティクス療法として病態者や術後における感染防御、炎症抑制などにおいて効果を示しており、健康食品においては両者を組み合わせたヨーグルトなども販売されている。

腸内細菌学会より引用

私がヨーグルトと一緒に摂取しているのはガラクトオリゴ糖で、摂取目安は大人の場合1日4.5gです。

値段は1,600円(2019年12月現在)程度、1日たったの14.4円です。

本気でヤクルトやミルミルの効果を引き出したいのであれば併用しない理由はありません。

また薬剤師としてあなたが抗生物質を服用している場合、ヤクルトやミルミルは抗生物質服用から2時間以上あけて摂取してください。

乳酸菌やビフィズス菌は抗生物質によって死滅してしまうからです。

ヤクルトとミルミルのダブル(W)飲用まとめ

以上でヤクルトとミルミルのダブル飲みについての記事を終わります。

この記事で書いたことをまとめると次のようになります

  • ヤクルトは乳酸菌でミルミルはビフィズス菌
  • 乳酸菌は小腸で働きビフィズス菌は大腸で働く
  • ヤクルトとミルミルを一緒に飲むと、相乗効果が期待できる
  • ヤクルトとミルミルはいつ飲んでも(同時に飲んでも)、効果は変わらない
  • 難消化性オリゴ糖と一緒に飲むとより効果的

この記事がヤクルトとミルミルで健康的な生活を送るための一助になれば幸いです。

またヤクルトとミルミルでダイエットが可能かを別記事で書いています。よろしければ読んでください。

記事⇒⇒ヤクルトやミルミルでダイエットはできるの?

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