この記事ではヤクルトが本当に血圧を下げる効果があるのか？という疑問にお答えします。
結論から言えばヤクルトの「プレティオ」は血圧を下げる効果があり、その効果は国の承認を受けています。
ヤクルトの「プレティオ」のメカニズムを中心に記事を作成しました。
Contents
ヤクルト「プレティオ」を摂取すべき人
まず最初に「プレティオ」を購入すべき人をあげます。
- 血圧が気になる人
- 日々のストレスを低減させたい人
なぜ上記の方が対象となるのか、またその効果はどの程度であるのかを検証していきます。
ヤクルト「プレティオ」の成分や値段、効果を解説
「ヤクルト」に血圧を下げる効果があると言うと「本当なの？」と思われるかも知れません。
正確に言えば「ヤクルト」から販売されている「プレティオ」という商品に血圧を下げる効果があるのです。
ヤクルト「プレティオ」は特定保健用食品、いわゆる「トクホ」の承認をうけているためその効果は国のお墨付きを得ています。
まずヤクルトの「プレティオ」の値段や成分を確認してみましょう。
| 商品名 | 値段 | 熱量 | 炭水化物 | 主要成分 |
| プレティオ | 115円 | 36kcal | 8.8g | カルシウム70mg γ-アミノ酪酸 (GABA)10mg以上 |
| 商品名 | カロリー | 炭水化物 |
| コカ・コーラ（100ml) | 45kcal | 11.3g |
比較対象のためコカ・コーラ100mlのカロリーと炭水化物量も書かせていただきました。
コカ・コーラ100mlと比較するとカロリーや炭水化物量も少なく、毎日飲むには適した飲料であると言えます。
ヤクルト「プレティオ」の主要成分はGABAとカルシウムです。
主要成分のうち「GABA」が血圧を下げる効果を持つのですが、GABAの効果については後程詳しく解説します。
またプレティオにはカルシウムが70mg含有されており、厚生労働省の日本人の食事摂取基準2015に従えば、18～29歳の男性の場合1日のカルシウム摂取推奨量は800mg、同年齢の女性の場合650mgとなっており、プレティオを飲むことで1日推奨量の1割程度のカルシウムを摂取できます。
日本人はカルシウム不足ですがあなたがプレティオを飲めばその不足分は補えることでしょう。
日本人に必要とされるカルシウム所要量は、成人の場合1日あたり600mgです（第6次改定・日本人の栄養所要量）。ところが「国民栄養調査」ではいつもこの数値に達せず、2002年度の場合も平均摂取量は546mgにすぎません。
オムロンHPより引用
ヤクルト「プレティオ」に含有されるGABAの効果
トクホの承認を受けるには、消費者庁にその効能を示す十分な根拠（エビデンス）を提出し、厳しい審査を受けた上で承認を得る必要があります。
特定保健用食品
実験データに基づいて審査を受け、健康づくりのための食習慣改善のきっかけとして「～が気になる方に」という効能効果を表示することを日本政府から認可された食品。通称「トクホ」「特保」と呼ばれる。健康増進法に基づく特別用途食品に含まれる。
Wikipedia特定保健用食品より引用
ヤクルトは「プレティオ」に含有されるGABAの研究結果をサイエンスレポートとして公表しています。
そのレポートに沿って、ヤクルトの「プレティオ」はどの程度血圧を下げる効果を持った商品かを解説します。
ヤクルト「プレティオ」に含有されるGABAは血圧を下げる効果がある
ヤクルトはGABAが血圧を下げる効果を実証するため、次のような実験を行っています。
被験者：正常高値またはⅠ度高血圧に該当する86名
被験者を次の２つのグループにわける
- GABA含有飲料群（GABA含有量10mg)
- プラセボ飲料（GABAを含まない疑似飲料）
それぞれの飲料を毎朝１本ずつ、12週間飲んでもらい血圧を測定する。
要は少し血圧が高めの人に対して、プレティオに含まれるのと同等のGABAを摂取してもらったわけですね。
プレティオは血圧を下げる効果はあったのでしょうか？
調査の結果は以下のとおりです。
ヤクルトサイエンスレポートより引用
図の左側が収縮期血圧、右側が拡張期血圧です。
収縮期血圧とはいわゆる「上の血圧」、拡張期血圧は同じく「下の血圧」です。例えば血圧が125/60と言われた場合、収縮期血圧は125、拡張期血圧は60です。
グラフを見るとヤクルトのプレティオを摂取した後に収縮期血圧、拡張期血圧ともに下がっていることがわかります。
どの程度下げたかと言うと次のとおりです。
- 収縮期血圧は6週目で10mmHg程度
- 拡張期血圧は6週目で6mmHg程度
またヤクルト「プレティオ」摂取期間経過後は血圧の上昇が見られることから、プレティオの飲用を止めたことにより血圧が上昇したことが推察できます。
まだ薬物治療が不要な「やや血圧が高い方」がプレティオを摂取することにより、正常血圧まで血圧が下がることが期待できます。
高血圧症状は脳卒中や脳梗塞そして心筋梗塞などの心疾患のリスクが上昇することが明らかとなっており、プレティオの摂取は我々の健康に寄与すると言えるでしょう。
ヤクルト「プレティオ」はなぜ血圧を下げる効果があるのか？
ではなぜGABAを含有するヤクルト「プレティオ」は血圧を下げる効果があるのでしょうか？
それはGABAに交感神経抑制作用があるからです。
体内ホルモンの「ノルアドレナリン」は血管（平滑筋）に存在するα受容体を刺激する作用があり、α受容体を刺激された平滑筋は収縮します。
蛇口に繋いだホースを細くするとホースから出る水の勢いが強くなるように、平滑筋が収縮すると血圧が上昇します。
GABAは末梢交感神経を抑制し、ノルアドレナリンの放出を抑制、結果平滑筋の収縮を緩和させることにより血圧を下げる効果があると考えられています。
ヤクルト「プレティオ」にはリラックス効果はあるのか？
ところでGABAと聞くと「リラックス効果」というイメージを持たれている方が多いと思います。
私もGABAは血圧降下作用というよりリラックス効果と結び付けてしまいます。
しかしヤクルトがプレティオとストレスについての研究を行っているという事実は確認できませんでした。
では実際のところヤクルト「プレティオ」にリラックス効果はあるのでしょうか？
「プレティオ」に含まれるGABAは交感神経抑制に働きますが、人間の脳へ達するための血液脳関門を通過できないため（分子量が大きいため）、脳に直接働きかけることはできません。
しかし2011年に発表された論文によればGABAは腸内に働きかけ、その刺激が脳内でのGABA生産を向上させていることが明らかとなっています。
その根拠として、腸内と脳をつないでいる神経を切断したマウスにGABAを与えても、脳内GABA生産の向上がみられないことが論文の中であげられています。
このことからヤクルト「プレティオ」には血圧抑制効果だけでなく、腸内に働きかけることによるリラックス効果もあるのではないかと考えられます。
ヤクルト「プレティオ」よりも手軽にGABAを摂取するには
GABAをより手軽に摂取するには発芽玄米がお勧めです。
発芽玄米100ｇには12mg程度のGABAが含有されていると言われています。
茶碗一杯のご飯がおおよそ150ｇですので、1食分を発芽玄米にすることで、あたたの生活はより健康的なものとなるでしょう。
一度試してみても損はありません。
また同じく血圧を下げる効果がある乳酸菌製品としては森永トリプルヨーグルトがあります。
別途記事を書いていますのでよろしければ読んでみてください。
