2016年に再販が決定し好調な売り上げを続けているミルミル。
しかしミルミルの効果はあまりよく知らない方が多いのではないでしょうか?
ミルミルは「お腹によい」以外の効果についてまとめ、ミルミルを飲めば具体的に何が期待できるのかをお伝えします。
Contents
ミルミルを飲むべき人はこんな人|効果はばつぐんだ
まずはじめにミルミルを購入して飲むべき人を紹介します。
- 便秘で悩んでいる人
- 美肌になりたい人・美意識の高い人
なぜ上記のような人にミルミルをお勧めするのか、解説していきます。
ミルミルとミルミルSの違い|ミルミルはどこで購入できるのか?
ミルミルには「ミルミル」と「ミルミルS」がありますが何が違うのでしょうか?
表にしてまとめてみました。
商品名 | 内容量 | メーカー 希望小売価格(税別) |
購入方法 | エネルギー | 成分 |
ミルミル | 100ml | 100円 | 宅配,コンビニ,スーパーなど | 88kcal | カルシウム:106mg ビタミンA:33μg |
ミルミルS | 100ml | 100円 | 宅配のみ | 49kcal | カルシウム:100mg 鉄:4mg ビタミンB6:1.9mg ビタミンB12:3.4μg ビタミンE:8mg 葉酸:240μg ガラクトオリゴ糖:1.0g コラーゲン:100mg |
ミルミルとミルミルSは価格は同じですが、ミルミルSの方がビタミン等が豊富に含まれており、カロリーも低めです。
またオリゴ糖はビフィズス菌の餌となりビフィズス菌の活性を高める効果があるため、オリゴ糖が添加されているミルミルSの方がビフィズス菌の効果が高くなることが期待できます。
となるとみんなミルミルSを買うんじゃないかと思うのですが、そこには一つ罠があって・・ミルミルSは宅配専用商品なんですね。
商売上手ですねw
ミルミルSを購入するにはヤクルトレディに配達してもらうしかありません。
が、ミルミルSと同等の効果をミルミルでも得られる方法がありますので、記事の最後で紹介します。
なおミルミルは店頭で見かけることが少ないように感じますが、コンビニやスーパーで販売しています。
タフマン欲しくて、コンビニ、スーパー、薬局8軒を2時間かけて回ったのに、どこもなくて、ミルミルだけ買って帰りました。悔しい。 pic.twitter.com/JUlXJt1tuT
— やま(うひひのき) (@keyakittekakeru) July 20, 2019
ミルミルの効果はビフィズス菌BY株によるもの
ヤクルトと言えば乳酸菌が入っている「NEWヤクルト」や「ヤクルト400」などが有名ですよね。
ミルミル以外のヤクルト飲料品は全て「シロタ株」と言う乳酸菌が入っており、その乳酸菌「シロタ株」が腸内環境を改善、体に「良い」効果を発揮します。
乳酸菌シロタ株の効果については別途記事を書いていますので参照お願いします。
ヤクルトのミルミルに入っているのは乳酸菌ではなくビフィズス菌です。ビフィズス菌が腸内環境を改善することにより我々を健康に導くことになります。
実は大腸内におけるビフィズス菌と乳酸菌の割合は999:1と、ほとんどビフィズス菌が占めています。
そしてビフィズス菌は酸素が存在する条件下では生育できないため、生きたまま保存するにはミルミルのようにパッケージ等に工夫を凝らす必要があります。
ミルミルの包装容器は光や酸素が届かないよう5重構造になっており、実際パッケージを手で破ろうとするとなかなか困難ですw
ミルミル公式HPより引用
ヤクルトはミルミルの効果を謳えない
ビフィズス菌と言えば腸内細菌なので「おなかの調子が良くなるんでしょ?」と思うかもしれませんね。
それは正解なのですがヤクルトはミルミルが「お腹の調子を整える」として販売することはできないんです。
なぜならばミルミルは保健機能食品の許可を得ていないからです。
保健機能食品
保健機能食品は、健康食品のうち安全性や有効性等が国の設定した一定の基準を満たした食品である。健康食品の品質を見極める時、評価基準の一つとすることが出来る。
Wikipedia保健機能食品より引用
ですのでヤクルトミルミルのHPを見ても「ビフィズス菌BY株を1本に120憶個含んだ、のむヨーグルト」としか書いてないんですね。
しかしビフィズス菌が体に良いことは様々な研究から明らかで、ヤクルトはミルミルに関する臨床研修結果をHP上で公表しています。
本記事ではヤクルトが公開している臨床研究の結果を元にミルミルにどのような効果があるのかを解説していきます。
ミルミルには何の効果があるのか
「ビフィズス菌」と言っても実は全てのビフィズス菌が同じ効果を発揮するわけではありません。
「人間」にもそれぞれ個性があり、人によって能力が異なるのと同じですね。
ヤクルトのミルミルに含まれているのは「ビフィズス菌BY株」です。
ちなみにヤクルトサイエンスレポートでは「ビフィズス菌ヤクルト株」についての研究内容が報告されていますが、ビフィズス菌BY株とビフィズス菌ヤクルト株は同じものです。
この件についてメールでヤクルトに問い合わせをすると下記のような回答をいただきました。
「BY株」とは「ブレーベ・ヤクルト株」の頭文字をとったものです。すなわち、「B.ブレーベ・ヤクルト株」は、「ビフィズス菌 BY株」と同じ菌で、使用している菌株は変更しておりません。
ミルミルは便秘を改善する効果がある
ここからはあなたがミルミルを飲めば便秘を改善する効果が得られますよ、というお話をしていきます。
ヤクルトは便秘傾向の健常高齢者を対象としミルミルの飲用効果を検証しています。
検証内容は次のとおりです。
対象被験者:60歳以上で便秘傾向の男女58名
被験者に4週間、ビフィズス菌100憶個を含んだ飲料(要はミルミルですね)を1日1本飲んでもらい、飲用後の経過を観察する。
ミルミルを4週間継続摂取した便秘傾向の人たちに便通改善はみられたのでしょうか?
排便回数と排便日数を計測した結果は次の通りです。
画像が少し見にくいので書き起こします。
まず排便回数から。ミルミルを飲む前に1週間で平均5.0回であったのが、ミルミルを飲んで4週目には6.3回に改善。
同様に排便日数はミルミルを飲む間が4.3日/1週でしたが、ミルミル飲用4週目では5.4日/週に改善しています。
次に便の硬さや形状を見てみましょう。
グラフの中で使用されている「便性状スコア」の解説は次のとおりです。
英国ブリストル大学のHeaton博士が1997年に提唱した大便の形状と硬さで7段階に分類する指標であり、便秘や下痢の診断項目の一つとして使用されています。
ヤクルト中央研究所より引用
ミルミルを飲んだ後、便が固かった被験者に絞ると症状が改善(図左の真ん中の棒グラフ)しています。
また3日以上連続して排便がなかった被験者の割合は、ミルミル摂取前は50%超から飲用4週間後は33%に改善しています(右側のグラフ)。
このようにミルミルの飲むと便秘症状を改善する効果が得られることがわかります。
ヤクルトのミルミルの効果:肌の状態を改善する(美肌効果)
次はあなたがミルミルを飲めば美肌効果が得られますよ、ということをお話していきます。
ヤクルトが注目したのはミルミルとフェノール類の関係性です。
フェノール類は腸内細菌がアミノ酸を代謝することによって作られ、血中へ移行、皮膚(表皮)へ移行して悪影響を及ぼすことが知られています。
ミルミル(ビフィズス菌)は血中フェノール濃度を低下させ、角層表面の水分含量を保持、角層細胞の改善効果があります。
ヤクルトはミルミルの美肌効果を証明するため、次のような研究を行っています。
被験者:20代から70代の健常女性39名
被験者を次の2つのグループにわける
- ミルミルを1日1本飲むグループ
- ビフィズス菌を含まない疑似飲料を飲むグループ
それぞれ対象飲料を4週間服用し、血中フェノール濃度・角層表面の水分含量・角質細胞の画像を比較する。
要はミルミルを4週間飲むと肌の状態はどのように変化したかを調査したわけですね。
試験飲料飲用前後の血中フェノール濃度を測定したのが下のグラフです。
ビフィズス菌を飲用したグループは血中フェノール濃度が低下しているのがわかりますね。
というかめちゃめちゃ下がってますよね?半分以下になってるじゃないですか?
ミルミル凄い。
血中フェノール濃度が低下した結果何が起こったのでしょうか・・?
角層表面の水分含量の測定結果を見てみましょう。
角層水分量はさぞかし上がっているものだと思いきや、下がってるじゃないですか!?
とびっくりするのは無理のない話です。
実はこの研究は冬場で角層表面の水分量が低下する時期に行われており、4週間の研究の間に角層水分量は低下してしまったのです。
しかし!
ミルミルを飲用していないグループ(疑似飲料群)と比較してください。
ミルミルを飲用したグループは水分含量の低下がかなり少ないことがわかります。
疑似飲料群は40%ほど角層表面の水分量が低下していますが、ミルミルを飲めば低下するのはわずか10%程度。
そう聞くと冬場にミルミルを飲まざるを得なくなってしまいますがな。
最後にミルミル飲用グループの角層細胞の画像を見てください。
左がミルミルを飲む前、右がミルミルを飲んだ後の角質細胞ですね。
ミルミルを4週間飲んだことにより、形の整った状態へと改善していることがわかります。
こんなの見せられたらミルミル飲むしかなくないですか?代表例1つしか載せてないのは怪しいですけどw
これらのことよりミルミルには美肌効果があると言えるでしょう。
ミルミルの効果は腸内フローラの改善によるもの
こうしたミルミルの便秘改善・美肌効果は突き詰めると腸内フローラの改善によるものです。
ヒトの腸管、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌(腸内細菌叢(そう)や腸内フローラとよばれます)が生息しています。ヒトの腸内細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、大きく分けて3グループで構成されています。
厚生労働省e-ヘルスネットより引用
腸内フローラの改善のためには乳酸菌やビフィズス菌を摂取するのが効果的です。
腸内の善玉菌の割合を増やす方法には、大きく分けて二通りあります。
まず一つめは、健康に有用な作用をもたらす生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。食品ではヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものです。厚生労働省e-ヘルスネットより引用
そして腸内フローラを改善、つまりミルミルを摂取することによって得られる効果は次の通りです。
悪玉菌は、たんぱく質や脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。一方、健康的な腸内細菌は、ビフィズス菌や乳酸菌(正確には乳酸桿(かん)菌)などの善玉菌が優勢であり、その他の菌ができるだけ劣勢である状態です。善玉菌は乳酸や酢酸などを作り、腸内を酸性にすることによって、悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染の予防や、発がん性をもつ腐敗産物の産生を抑制する腸内環境を作ります。また善玉菌は腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)を産生します。さらに善玉菌の体を構成する物質には、体の免疫力を高め、血清コレステロールを低下させる効果も報告されています。
厚生労働省e-ヘルスネットより引用
ちなみにビフィズス菌は代謝により酢酸を生産し、大腸菌(悪玉菌)などに対し抗菌作用や抗炎症作用を示し人を健康する効果を持っています。
明治森永のHPから拝借してきたグラフによると、大腸菌は酢酸存在下ではまったく増殖できていません。
明治森永のHPより引用
ミルミルを効果的に飲むための疑問
最後にミルミルに関する疑問をまとめて記事を〆たいと思います。
ミルミルはいつ飲めば良いの?
それに対するヤクルトの回答は次の通りです。
しかし一般的なビフィズス菌は胃酸い弱いため食後の摂取が推奨されています。
さらに、その効果を十分に発揮させるには、とるタイミングが重要だ。「乳酸菌や、特にビフィズス菌は、胃酸に弱い。だから、胃酸が薄まり影響を受けにくい食後にとるとよい」と齋藤教授はアドバイスする。
ヘルスアップ健康づくりより引用
本当にいつ飲んでも効果は同じなのか?
そう疑問に思いヤクルトにメールで問い合わせたところ、次のような回答をいただきました。
乳酸菌 シロタ株とビフィズス菌 BY株は、強い殺菌力がある胃液、胆汁などに負けずに生きて腸にとどくよう、強化培養していますので、食後に飲む必要はございません。
毎日続けていただきたい商品ですので、飲み忘れのないよう、続けやすいタイミングにお飲みいただければと存じます。ヤクルトお客様相談センターのメールより引用
ミルミルのビフィズス菌は胃酸や胆汁に強い。
のでいつ飲んでも大丈夫。なるほど。
返信ありがとうございました。
ミルミルを効果的に飲むには?
あなたがミルミルをより効果的に食べたいのであればオリゴ糖などと一緒に摂取することをお勧めします。
根拠としては次のとおりです。
また、辨野氏は「乳酸菌やビフィズス菌だけをとるよりも、それらの『エサ』となる食物繊維やオリゴ糖もたっぷりとるのが効果的。
ヘルスアップ健康づくりより引用
「オリゴ糖をとる」とありますが、正確には難消化性オリゴ糖です。
難消化性オリゴ糖はヒトに有益な細菌(乳酸菌)の増殖を促進させる効果があります。
私が乳酸菌やビフィズス菌と一緒に摂取しているのはガラクトオリゴ糖で、摂取目安は大人の場合1日4.5gです。
値段は1,600円(2019年12月現在)程度、1日たったの14.4円です。
ミルミルSにオリゴ糖が(1gだけですが)配合されているのは、ビフィズス菌の効果を強めるためです。
ミルミルSは配達専用商品ですが、ミルミルとガラクトオリゴ糖を摂取すればミルミルSと同等(かそれ以上)の効果を得られることになります。
ミルミルは抗生物質と一緒に飲まないほうが良い
また薬剤師としてあなたが抗生物質を服用している場合、ミルミルは抗生物質服用から2時間以上あけて摂取してください。
乳酸菌は抗生物質によって死滅してしまうからです。
ミルミルは赤ちゃんに飲ませることができるのか?
母乳により腸内環境が整えられる赤ちゃんですが、ビフィズス菌(ミルミル)は赤ちゃんにも飲ませても良いのか・・?
それに対するヤクルトの回答は次の通りです。
お子さま、幼児もお飲みいただけます。赤ちゃんは、ミルク以外のもの(離乳食等)を口にする頃からお与えいただけます。
ぬるま湯(人肌程度)で2倍くらいに薄め、赤ちゃんの便や健康状態をみながら、ごく少量から与えはじめてください。その際、哺乳びんの使用は避け、スプーンなどを用いてください。
これは、赤ちゃんの食機能の発達を促すことや、口腔衛生上のことを考慮してのことです。また、母乳やミルクの代わりにはなりませんので、それらの摂取量に影響を及ぼさないように量を調節してお与えください。
離乳食を始めるころ、つまりミルミルは生後5~6か月ごろから薄めて摂取させて問題ないということですね。
ミルミルでダイエットは可能?
ミルミルでダイエットが可能かや、ヤクルトとミルミルを同時に飲むとどうなるかについては別途記事を書いていますので参照いただければ幸いです。