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ヤクルト400の個別効果

【検証】ヤクルト400とヤクルト400LTは癌の予防効果があるのか?

投稿日:2019年10月16日 更新日:

ヤクルト400と癌

ヤクルトの商品であるヤクルト400とヤクルト400LT。

ヤクルトの研究によればこの2つの商品は癌の予防効果があるらしいのです。

乳酸菌製品であるヤクルトに癌の予防効果があるとはにわかに信じられません。

果たしてヤクルト400とヤクルト400LTは癌の予防効果があるのかを検証し、記事にしました。

ヤクルト400は癌の予防効果を謳えない

ヤクルト400とヤクルト400LT。

この2つの飲料は特定保健用食品として認可を受けておりその効能は「おなかの調子を整える」です。

それ以外の効能は薬機法上謳うことはできません。

しかしヤクルト400の乳酸菌は研究により、「おなかの調子を整える」以外の効能もあることが示唆され、ヤクルトはHP上で研究結果として公表しています。

この記事ではヤクルト400とヤクルト400LTが癌の予防効果があるのか、効果があるのならどのような作用機序で効果が発現するのかを検証していきます。

なお途中で出てくる図表に関しては全てヤクルトのサイエンスレポートから引用しています。

ヤクルト400に含有されるシロタ株が癌の予防に関与する

ヤクルト400とヤクルト400LTの「400」とは「400憶個の乳酸菌が含まれている」という意味で、ヤクルト400とヤクルト400LTを摂取するとその乳酸菌が癌の予防に役立ちます。

ヤクルトの乳酸飲料に含まれる乳酸菌はすべて「シロタ株」と言い、乳酸菌「シロタ株」が腸に届き、いわゆる「体に良い」効果を発揮することになるのです。

ちなみにLTとは「Low calorie Type(ローカロリータイプ)」の意味で、ヤクルト400LTの方がヤクルト400より30%カロリーが低くなっています。

ヤクルト400の癌予防に対する研究

ヤクルトはHP上で大腸がん、膀胱がん、乳がんに対するシロタ株の研究結果を公表していますので、その研究結果をまとめてみました。

ヤクルト400と大腸がんの予防効果に関する研究

日本人の死亡原因第一位はがんです(医学の発達により、がん以外の疾病では死ななくなったとも言えます)。

そしてがんの部位別死亡率の第二位が大腸がん(一位は肺がん)です。

大腸がんでの死亡率は近年増加の一途で、食生活や生活習慣のの欧米化が原因と言われています(アルコールと赤身肉の摂取、野菜の摂取と運動量の減少)。

ヤクルトは次のような研究により、ヤクルト400に含まれる乳酸菌「シロタ株」には大腸がんの予防効果があることを立証しました。

被験者:大腸がんの前段階となる大腸腺腫が2個以上見つかった40歳~65歳までの男女で、試験開始時にそれらをすべて摘除・完治した398人

被験者を次の2つのグループにわける。

  • 1回15憶~210憶個のシロタ株を1日3回摂取してもらうグループ
  • シロタ株の疑似飲料を摂取するグループ

両グループの比較からヤクルトが大腸がんに与える影響を調査する。

結果は次の表のとおりです。

シロタ株による大腸腺腫抑制効果

ヤクルトサイエンスレポートより引用

シロタ株を摂取し続けたグループはシロタ株を摂取していないグループに比べて中等度以上の大腸腺腫の発生リスクが2年で20%、4年で35%低減されていることがわかったのです

ヤクルト400と膀胱がんの予防効果に関する研究

次にヤクルトが検証したのはシロタ株(ヤクルト400)の摂取と膀胱がんの再発抑制の関係です。

ヤクルト400に含まれる乳酸菌シロタ株には、動物実験などにおいて発がん抑制効果が認められていたことから、乳酸菌シロタ株の継続摂取による表在性膀胱がんの再発抑制に対する研究が行われました。

その研究は次のような手順で行われました。

被験者:内視鏡を使って表在性膀胱がんを切除した125名

  • 乳酸菌シロタ株が15憶~210憶個入った製剤を1日3回摂取するグループ
  • プラセボ(シロタ株が入っていない製剤)を1日3回摂取するグループ

被験者に1年間、またはがんが再発するまで飲んでもらう。

1年後の表在性膀胱がんの再発率は次の表のような結果となっています(多くの人に再発が認められるグループを除く)。

シロタ株による表在性膀胱がんの再発抑制効果

ヤクルトサイエンスレポートより引用

1年後の表在性膀胱がんの再発率はシロタ株(ヤクルト400)を摂取しているグループは、プラセボ(シロタ株を摂取していない)を摂取していたグループの半分以下になっています。

またこの試験中にがんが再発した人を対象として、試験前に切除したがんと再発したがんの悪性度を比較する検証が行われています。

結果は次のとおりです。

シロタ株の悪性度の抑制

ヤクルトサイエンスレポートより引用

プラセボでは切除前よりも再発した癌の悪性度が高かったのが31人中7名であったのに対し、シロタ株(ヤクルト400)を服用していた人でがんの悪性度が悪化したのはわずか1名でした。

以上のことからシロタ株(ヤクルト400)の摂取には次の効果があることがわかります。

  • 表在性膀胱がんの再発率低下
  • 再発した表在性膀胱がんの悪性度の低下

またヤクルトはこの研究と並行して、生活習慣などの背景から膀胱がんの発症に関連すると思われる因子を調査しています。

膀胱がん発症リスクとヤクルト400

ヤクルトサイエンスレポートより引用

上記の表は「過去10~15年にヤクルトを含む乳酸菌飲料を週1~2回摂取していた人」「同じく週3~4回摂取」していた人はそれぞれ、「ヤクルトを含む乳酸菌飲料をほとんど摂取していなかった人」に比べてどの程度膀胱がん発症リスクが抑制できるかを示したものです。

この研究は次のような結果になっています。

  • 週1~2回乳酸菌飲料を摂取していた人は、ほとんど摂取していなかった人と比べて54%
  • 週3~4回乳酸菌飲料を摂取していた人は、ほとんど摂取していなかった人と比べて39%膀胱がんの発症リスクが小さかった

ヤクルト400と乳がんの予防効果に関する研究

2019年現在、女性のがん罹患率1位は乳がんです(死亡率1位は大腸がんです)。

ヤクルトでは先ほどの膀胱がんと同じ方法で、過去10~15年前の発酵乳摂取状況を聞き取り、シロタ株を含む発酵乳の摂取割合と乳がんの発症リスクを調査しています。

その結果は次の図のようになっています。

シロタ株と乳がん発症リスク

ヤクルトサイエンスレポートより引用

このグラフから週4回以上シロタ株(ヤクルト400)を含む乳製品を摂取していた人は、週4回未満の人に比べて乳がんの発症リスクが35%減少しているということがわかります。

ヤクルト400に含まれる乳酸菌シロタ株が癌を抑制するメカニズム

このように大腸がん・膀胱がん・乳がんと3種類のがんに対して予防効果があることを示した乳酸菌シロタ株(ヤクルト400)ですが、そのメカニズムはどのようになっているのでしょうか?

ヤクルトによれば以下の3点により、ヤクルト400に含まれるシロタ株が癌の予防メカニズムと推測されるとのことです。

  • 腸内フローラの改善により有害菌が生産する腸内有害物質が減少する
  • 腸内発がん物質をシロタ株が吸着し排泄する
  • がん細胞を攻撃するNK細胞の活性化効果

乳酸菌がガンに効果があるなんて・・と信じられない方もいらっしゃるかと思います。

しかし近年腸内細菌の働きは我々の健康に大きな影響を与えることが解明されており、厚生労働省のHPにも腸内フローラに関する効果の記載があります。

悪玉菌は、たんぱく質脂質が中心の食事・不規則な生活・各種のストレス・便秘などが原因で腸内に増えてきます。腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。

厚生労働省e-ヘルスネットより引用

また2015年にNHKスペシャルで腸内フローラに関する番組が放送され、大きな反響を呼びました。

その放送が書籍化されたものが販売されています。

腸内フローラと健康についてもっと知りたい方は読んで損はしません。

【結論】ヤクルト400は癌に予防効果を示すのか?

これまで書いてきたことをまとめてみましょう。

ヤクルト400に含まれるシロタ株は次のような効果を示すことが、ヤクルトの研究により明らかとなっています。

  • 大腸がんの前段階である大腸腺腫の発生リスクを低減
  • 表在性膀胱がんの再発率の低下
  • 再発した表在性膀胱がんの悪性度の低下
  • 過去10~15年に摂取していた人は、そうでない人に比べて膀胱がんの発症リスクが小さい
  • 過去10~15年に摂取していた人は、そうでない人に比べて乳がんの発症リスクが小さい

このようにヤクルトの研究によれば、ヤクルト400に含まれるシロタ株が各種癌に対するリスクを軽減できていることがわかります。

ヤクルトは医薬品ではありませんのでこうした効果は国の承認を得られたわけではありませんし、その効能を謳ってヤクルトを販売しているわけではありません。

ただこうした研究結果をHP上で公表していることからヤクルト400の継続摂取は癌のリスク低減に寄与しているのではないかと推察できます。

ヤクルト400を効果的に摂取するには?

以上のように素晴らしい効果を持ったヤクルト400ですが、効果的に摂取するにはどうすれば良いのかをお伝えします。

ヤクルト400を飲む時間はいつでも良い

一般的に乳酸菌を含む食品は食後に服用することを推奨されています。

さらに、その効果を十分に発揮させるには、とるタイミングが重要だ。「乳酸菌や、特にビフィズス菌は、胃酸に弱い。だから、胃酸が薄まり影響を受けにくい食後にとるとよい」と齋藤教授はアドバイスする。

ヘルスアップ健康づくりより引用

しかし私がシロタ株を含む乳酸菌飲料の摂取時間についてヤクルトに問い合わせすると次のような返信がありました。

乳酸菌 シロタ株は、強い殺菌力がある胃液、胆汁などに負けずに生きて腸にとどくよう、強化培養していますので、食後に飲む必要はございません。
毎日続けていただきたい商品ですので、飲み忘れのないよう、続けやすいタイミングにお飲みいただければと存じます。

ヤクルトお客様センターのメールより引用

乳酸菌シロタ株は酸に強いため食後ではなくても問題はなく、それよりも「食べ忘れないよう毎日摂取することが重要」ということですね。

ヤクルト400は難消化性オリゴ糖と一緒に食べると効果的

あなたがヤクルト400をより効果的に食べたいのであればオリゴ糖などと一緒に摂取することをお勧めします。

根拠としては次のとおりです。

また、辨野氏は「乳酸菌やビフィズス菌だけをとるよりも、それらの『エサ』となる食物繊維やオリゴ糖もたっぷりとるのが効果的。

ヘルスアップ健康づくりより引用

「オリゴ糖をとる」とありますが、正確には難消化性オリゴ糖です。

難消化性オリゴ糖はヒトに有益な細菌(乳酸菌)の増殖を促進させる効果があります。

宿主(人間)にとって有益な菌(乳酸菌)のことををプロバイオティクスと言いますが、有益な菌を増やす食品をプレバイオティクスと呼びます。

プレバイオティクスは大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分と定義した。

腸内細菌学会より引用

つまりヤクルト400はプロバイオティクス、難消化性オリゴ糖はプレバイオティクスです。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時摂取することをシンバイオティクスと言いその効果は臨床現場でも用いられています。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて応用する試みは、上記シンバイオティクスの概念が提唱される前から行われており、臨床現場においてはシンバイオティクス療法として病態者や術後における感染防御、炎症抑制などにおいて効果を示しており、健康食品においては両者を組み合わせたヨーグルトなども販売されている。

腸内細菌学会より引用

私がヨーグルトと一緒に摂取しているのはガラクトオリゴ糖で、摂取目安は大人の場合1日4.5gです。

値段は1,600円(2019年12月現在)程度、1日たったの14.4円です。

ヤクルト400は抗生物質との併用は避けるべき

また薬剤師としてあなたが抗生物質を服用している場合、ヤクルト400は抗生物質服用から2時間以上あけて摂取してください。

乳酸菌は抗生物質によって死滅してしまうからです。

ヤクルト400のその他の効果

ヤクルト400はメーカーの研究により、癌以外にもさまざまな効果があることが知られています。

それぞれ別途記事にしていますので参照をお願いします。

記事⇒⇒ヤクルト400のカロリーや違い、効果などを検証

記事⇒⇒ヤクルト400には花粉症やアレルギー性鼻炎を抑制する効果がある

記事⇒⇒ヤクルト400にはインフルエンザ予防効果がある!

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管理人の「たぬ」です。
株式投資・不動産投資・オプション取引をメインに日々最も安全かつ効率的な投資方法を模索しています。

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