今回は、確定申告書を用いた所得税の計算方法を書きたいと思います。
確定申告を2回、3回と繰り返しても確定申告書をじっくり見る機会が無い方もいるのではないでしょうか?
また、確定申告書を見ても内容がよくわからない方もいると思います。正直、内容が複雑ですしね。しかしわかってしまえば意外と簡単で、理解さえしてしまえば面白く感じられます。一緒に見て行きましょう。
確定申告書Bを用いた所得税の計算方法、確定申告書Bの見方
確定申告書Bの見方
今回は確定申告B表を見ながら所得税の計算をしていきたいと思います。確定申告書の勉強にもなりますし、こちらの方が分かりやすいはずです。
所得税の計算は下の式にります。
(売上)-(経費)ー(控除)で表す部分を「課税所得」と言います。
次に所得税の確定申告書B表を見てみましょう。
結論から言うと、上の式の(売上ー経費)が○で囲ったAの部分「所得金額」の合計に該当します。
そして、(控除)の部分は○で囲ったBの部分「所得から差し引かれる金額」の合計に、最後に「課税所得」は○で囲ったCの部分「課税される所得金額または第三表」に該当します。
確定申告書Bを用いて所得税の計算をする
確定申告書Bの見方を踏まえて、確定申告書Bを用いた所得税の計算式を書くと下のようになります。
(A所得金額)-(B所得から差し引かれる金額)=(C課税される所得金額)(C課税される所得金額)×(税率)=所得税
税率ですが、課税される所得金額(課税所得)によって変わるのはご存知でしょうか?
日本は所得が多ければ多いほど、税率が上がっていきます。
課税所得と税率の表を見てみましょう。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
税率がいくらであるかは、確定申告書Bの○で囲ったCの部分「課税される所得金額」と、表の「課税所得金額」を照らし合わせていただければわかります。
例えば、「課税される所得金額」に記入されている金額が400万だったとすると、表の「課税所得金額」が330万を超え 695万円以下 にあてはまりますので、所得税の税率は20%ということになります。
確定申告書Bに記載された数値をあてはめて、所得税の具体的計算をする
具体的に計算していきましょう。
確定申告書Bで
- 所得金額の合計が700万円
- 所得金額から差し引かれる金額の合計が400万円
だったとしましょう。
すると、課税される所得金額は700万円-400万円=300万円になっているはずです。
そこで先ほど見た課税所得と税率の表を見てみると、195万円を超え330万円以下に該当しますね。
よって、所得税の計算は
(課税される所得金額300万)×(税率0.1)-(所得から引く金額9.75万円)=(所得税20.25万円)
となります。
確定申告書Bを用いた所得税の計算方法、確定申告書Bの見方のまとめ
確定申告書Bを利用した所得税の計算方法を見てきました。
課税所得がわかってしまっているので、計算は楽ですよね。
でもその年の確定申告書Bが見られるのって、翌年の確定申告提出の時期です。
年度の途中で「このままだと所得税がいくらになるのだろう」と気になる方は、やはり
の式にあてはめて、その都度計算する必要があります。
こちらの記事では、確定申告書Bを用いずに、より詳細に所得税の計算方法を説明していますので参考にしていただければ幸いです。