この記事ではキリンから発売されている「iMUSE(イミューズ)」の効果効能や価格・カロリーなどについて解説しています。
「iMUSE(イミューズ)」は保健機能食品ではありませんので、商品に効果効能を表記して販売することはできません。
しかしキリンは「iMUSE(イミューズ)」に含まれる乳酸菌の研究を行っており、研究結果を公表しています。
「iMUSE(イミューズ)」は何の効果がどの程度あるのかを検証しました。
Contents
「イミューズ(iMUSE)」を購入すべき人はこんな人|効果あり
まず最初に「イミューズ(iMUSE)」を購入すべき人をあげます。
- インフルエンザや風邪を予防したい人
- 労働パフォーマンスを改善したい人
- 激しい運動を行う人
- 肌のバリア機能を改善したい人
なぜ上記の方が対象となるのか、またその効果はどの程度であるのかを検証していきます。
iMUSE(イミューズ)の種類やカロリー、糖質、菌種などのまとめ
2019年12月現在販売されているiMUSE(イミューズ)商品ラインナップや種類・カロリーをまとめました。
iMUSE(イミューズ)カロリーや糖質
まずはヨーグルト商品から紹介します。
商品名 (小岩井 iMUSE) |
カロリー | タンパク質 | 値段 (希望 小売価格) |
糖質 (炭水化物) |
カルシウム |
生乳 ヨーグルト (400g) |
99kcal (100g) |
5.2g (100g) |
380円 | 12.6g (100g) |
172mg (100g) |
生乳 ヨーグルト (100g) |
同上 | 同上 | 120円 | 同上 | 172mg |
ドリンク ヨーグルト (115g) |
74kcal | 3.4g | 120円 | 12.1g | 116mg |
継続してiMUSEの効果を得続けるには100gあたりの単価が安い「小岩井iMUSE生乳ヨーグルト400g」が圧倒的にお得です。
参考までにコカ・コーラは100mlで45kcalありますので、iMUSE(イミューズ)を1個食べると、コカ・コーラ200mlを飲む程度のカロリーを摂取することになります。
また厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015」に従えば、18~29歳の男性の場合1日のカルシウム摂取推奨量は800mg、同年齢の女性の場合650mgとなっています。
iMUSE(イミューズ)を1個食べることで1日推奨量の2割程度のカルシウムを補えます。
日本人はカルシウム不足ですがあなたがiMUSEヨーグルトを食べればその不足分は補えることでしょう。
日本人に必要とされるカルシウム所要量は、成人の場合1日あたり600mgです(第6次改定・日本人の栄養所要量)。ところが「国民栄養調査」ではいつもこの数値に達せず、2002年度の場合も平均摂取量は546mgにすぎません。
オムロンHPより引用
次にヨーグルト製品ではないiMUSE商品を紹介します。
商品名 |
カロリー | タンパク質 | 値段 (希望小売価格) |
糖質 (炭水化物) |
協和発酵バイオの iMUSE(イミューズ) (サプリメント) |
2.5kcal (1日分) |
0.04g (1日分) |
1,429円 (15日分) |
0.9g (1日分) |
キリンiMUSE(イミューズ) レモンと乳酸菌 (500ml) |
85kcal | 0 | 140円 | 21.5g |
ピュレサプリグミ iMUSE(イミューズ) プラズマ乳酸菌 |
207.7kcal | 4.65g | オープン価格 | 47.43g |
キリンiMUSE (イミューズ)水 |
0kcal | 0g | 120円 | 0g |
サプリや清涼飲料水タイプ、グミまで販売されています。
しかしグミは糖質が47.43gと非常に多いので健康食品としてはどうなんですかね?w
体重を気にされている方はサプリメントタイプである協和発酵バイオのiMUSE(イミューズ)をお勧めしたいです。
イミューズレモンと乳酸菌も果糖ブドウ糖が含有しているため炭水化物量は多めです。
追記:一方で2020年1月14日にiMUSE(イミューズ)水が発売になり、iMUSE(イミューズ)水はカロリーも糖質も0という健康に最大限考慮した商品になっております。「水」なので当たり前なのですが、おそらく水に乳酸菌を配合した商品はiMUSE(イミューズ)水が初めてなんではないでしょうか?
かなり革命的な商品だと個人的には思っています。
またこうしたiMUSE商品とは一線を画した製品が発売されており、それはバリアビタミンC(L-アスコルビン酸2-グルコシド)が配合されたiMUSE(イミューズ)プロフェッショナルです。
商品名 |
カロリー | タンパク質 | 値段 (希望小売価格) |
糖質 (炭水化物) |
その他成分 |
iMUSE (イミューズ) プロフェッショナル |
6.4kcal (1日分) |
0~0.1g (1日分) |
2376円(15日分) (1日158.4円) |
1.8g (1日分) |
L-アスコルビン酸 2-グルコシド (7mg) |
iMUSE(イミューズ)プロフェッショナルについては記事の最後で詳しく分析します。
イミューズ(iMUSE)に含まれる乳酸菌の名前は?
「乳酸菌」と言ってもその効果はさまざまです。「人間」も個人で能力が異なるのと同様ですね。
キリンホールディングススから発売されているiMUSE(イミューズ)に含まれる乳酸菌の正確な名前は、Lactococcus lactis JCM5805株(ラクトコッカス・ラクチスJCM5805株)です。
キリンでは乳酸菌Lactococcus lactis JCM5805株のことを「プラズマ乳酸菌」と呼んでいます。
iMUSE(イミューズ)は保健機能食品ではないので効果を表記できない
キリンから発売されている「iMUSE(イミューズ)」シリーズは保健機能食品ではありません。
保健機能食品は、健康食品のうち安全性や有効性等が国の設定した一定の基準を満たした食品である。健康食品の品質を見極める時、評価基準の一つとすることが出来る。
Wikipedia 保健機能食品 より引用
iMUSE(イミューズ)は保健機能食品ではありませんが、キリンホールディングスはiMUSE(イミューズ)に含まれるプラズマ乳酸菌の効果効能に関して様々な論文や学会発表・研究を行っています。
この記事ではその資料を元にiMUSE(イミューズ)を摂取するとどのような効果があるのかを紐解いていきます。
iMUSE(イミューズ)の効果はいったい何なのさ?
ここからはiMUSE(イミューズ)の乳酸菌の特徴および効果の核心に迫ります。
「イミューズ(imuse)」の乳酸菌の特徴は?
キリンの公式HPによればiMUSE(イミューズ)が「プラズマ乳酸菌」と呼ばれるのは次のような理由からです。
プラズマサイトイド樹状細胞を活性化することから、『プラズマ乳酸菌』と名付けられました。
キリンの公式HPより抜粋
薬剤師10年近くしていますが「プラズマサイトイド樹状細胞」は聞いたことなかったです。
調べると次のようなものだそうですが。
ヒトDCはmyeloid/conventional (mDC/cDC)とplasmacytoid (pDC)の2つのサブセットに分けられます。血液中に存在するpDCはウイルス感染に対して大量のタイプIインターフェロン(IFN)を産生します。
東京大学医学部付属病院HPより引用
何のことやらわからないですよね?
簡単に言えば人の免疫にはDC(樹状細胞)というものが関与しており、そのDC(樹状細胞)を活性化する能力をプラズマ乳酸菌が持っているということです。
なおiMUSE(イミューズ)製品には1日分(ヨーグルトの場合は100g)として1000憶個のプラズマ乳酸菌が含まれています。
ヨーグルトとドリンクヨーグルトにはプラズマ乳酸菌の含有量記載がありませんが、小岩井乳業に問い合わせをすると次のような返信をいただきました。
・小岩井 iMUSE(イミューズ)生乳(なまにゅう)ヨーグルト 100g
・小岩井 iMUSE(イミューズ)ドリンクヨーグルト 115g
2品とも「協和発酵バイオのiMUSE(イミューズ)」と同等数のプラズマ乳酸菌が含まれています。
協和発酵バイオのiMUSE(イミューズ)と同等数、つまりどの製品を摂取してもプラズマ乳酸菌1000憶個の効果が得られるということになります。
iMUSE(イミューズ)の効果は4つ
ではiMUSE(イミューズ)に含まれるプラズマ乳酸菌(以下iMUSE)にはどのような効果があるのでしょうか?
2019年12月現在でキリンホールディングスが公表しているプラズマ乳酸菌の効果は以下の4点です。
- 風邪・インフルエンザ発生リスクを低減
- 労働パフォーマンス改善
- 激しい運動後の体調不良・疲労感を軽減
- 肌に潜む細菌集団のバランスを維持する
それぞれ解説していきます。
iMUSE(イミューズ)は風邪・インフルエンザ発生リスク低減効果がある
まずはあなたがiMUSE(イミューズ)を摂取すればインフルエンザの予防ができる可能性がある、という話です。
iMUSE(イミューズ)が免疫を活性化させる効果を持つことは述べた通りですが、免疫を活性化させると・・・当然・・・風邪やインフルエンザにかかりにくくなると思われますよね?
その通りでございます!
キリンでは岩手県雫石町の小中学校で次のような調査を行っています。
期間:2015年1月から3月
被験者:岩手県雫石町の学童(小中学生)1,255人
被験者にJCM5805を1000憶個含むヨーグルト(要はイミューズ)を週三回摂取してもらう。
被験者インフルエンザ発症率と、隣町A町のインフルエンザ発症率を比較する
要はiMUSE(イミューズ)を週3回摂取した小中学生は、隣町の小中学生と比べてインフルエンザ発症率に違いはあったのか?
ということを調べたわけです。
結果を見てみましょうか。
Preventive Effect of Lactococcus lactis subsp.lactis JCM 5805 Yogurt Intake on Influenza Infection among Schoolchildren より引用
2月のインフルエンザ発症率が低いのが明らかですね。
このグラフだけでは全体像がわかりにくいので、調査期間中全てのインフルエンザ発症率の累計を比較してみましょう。
Preventive Effect of Lactococcus lactis subsp.lactis JCM 5805 Yogurt Intake on Influenza Infection among Schoolchildren より引用
左側が小学校、真ん中が中学校、右が小中学校全体のインフルエンザ罹患率です。
白い棒グラフが雫石町のインフルエンザ罹患率ですが、iMUSE(イミューズ)の摂取により黒い棒グラフ(隣町)と比較するとインフルエンザ発症が減少しているのがわかります。
つまりあなたがiMUSE(イミューズ)を摂取すればインフルエンザにかかりにくくなる可能性があるわけです。
同じくインフルエンザへの効果を示すとされる乳酸菌製品はR-1ヨーグルトが有名です。
明治プロビオヨーグルトR-1の効果効能については別途記事を書いています⇒明治R-1ヨーグルトの効果効能は?
iMUSE(イミューズ)は労働パフォーマンス改善効果がある
次はあなたがiMUSE(イミューズ)を摂取すれば労働パフォーマンスが改善される可能性がありますよ、というお話です。
労働パフォーマンス改善を謳った乳酸菌食品は私が知る限りiMUSE(イミューズ)だけなのでちょっと興味深いです。
キリン株式会社とヤフー株式会社が共同でプレスリリースした資料から簡単に解説します。
試験は、ヤフー本社に勤務する20歳から65歳までの226名の従業員を対象に、2017年11月下旬から2018年2月下旬にかけて実施しました。被験者をランダムに2つのグループに分け、片方のグループにはプラズマ乳酸菌を4週間摂取(プラズマ乳酸菌摂取期間)した後に、4週間の摂取しない期間(非摂取期間)を設定しました。もう片方のグループには、順番を入れ替えて非摂取期間、プラズマ乳酸菌摂取期間の順に実施しました。各期間中に、アンケート※3で体調、気分、労働生産性の評価を行いました。
※3 体調は体調記録日誌、気分は気分プロフィール検査(POMS)、労働生産性はWHO健康と労働パフォーマンスに関する質問紙(WHO-HPQ)を用いた。
要はヤフーで働く人にイミューズを摂食させ、労働パフォーマンスが改善したかを調べたんですね。
結果は次のようになっています。
プラズマ乳酸菌研究レポートより引用
体調や労働パフォーマンスが改善されています。
でもこの調査結果には少し疑問があります。
こうした調査を行う場合はプラズマ乳酸菌とその疑似飼料を両グループに摂取してもらい「今自分が何を摂取しているのかわからない」状態にするのが通例です。
でもこの調査は「今自分がプラズマ乳酸菌を摂取している」ことを知らされていいると思われます。
その場合プラセボ効果が働き、数値が実際よりも良好な結果となることがあります。
しかも被験者はヤフー株式会社の社員ですからね。
この調査に関しては参考程度に考えておいたほうが良いでしょう。
「イミューズ(imuse)」は激しい運動後の体調・疲労の自覚症状を軽減する
次はあなたが激しい運動を行った後iMUSE(イミューズ)が体調や疲労の自覚症状を軽減してくれるかもしれない、という話です。
アスリートの方にとって大切なのは運動のアフターケアですよね。
「イミューズ(iMUSE)」には激しい運動後の体調・疲労の自覚症状を軽くするという効果があるようです。
キリンが行った研究を見てみましょう。
被験者:大学のスポーツクラブに所属する51名の男性
被験者を次の2つのグループに分ける
- JCM5805(要はイミューズ)を摂取するグループ26名
- JCM5805(イミューズ)の疑似飼料を摂取するグループ25名
それぞれ13日間の摂取期間後、血液検査・唾液検査・体調と疲労に関する症状の累積日数を調査する。
iMUSE(イミューズ)を摂取したグループと摂取しなかったグループで、激しい運動を行う被験者の健康にどうのような影響があるのかを調査したわけですね。
結果は次のようになっています。
プラズマ乳酸菌研究レポートより引用
iMUSE(イミューズ)を摂取したグループは体調と疲労が軽減しているのがわかります。
一方論文では血液検査や唾液検査で得られた筋肉損傷のマーカーやストレスマーカーに差異はなかったことが示唆されています。
つまり器質的な状態は改善されないが体調や疲労に対する自覚症状は改善する可能性が高いということですね。
「イミューズ(imuse)」は肌の免疫力とバリア機能を増強する
最後はあなたがiMUSE(イミューズ)を摂取すれば肌を改善するかもしれないという、美意識が高い方には嬉しいお話です。
キリンでは次のような研究を行っています。
被験者:健常者70名
被験者を次の2つのグループに分ける
- プラズマ乳酸菌50mg(約1000憶個)を含むカプセルを摂取する
- プラズマ乳酸菌を含まないカプセルを摂取する
8週間の摂取完了後、肌の状態を評価する
要はプラズマ乳酸菌50mg(イミューズ)を摂取すると、摂取しなかったグループと比較して肌にどのような変化があらわれたかを調査したわけです。
結果は次のようになっています。
キリンホールディングスHPより引用
タイトジャンクション遺伝子というものを私は知りませんでしたが、キリンのHPによると次のようなものです。
肌の細胞同士の結合に必要なタンパク質を作る遺伝子で、水分保持能などに寄与していると言われている。
KIRINのHPより引用
タイトジャンクション遺伝子の発現強度が高ければ水分を保持し肌のバリア機能が維持されるようです。
とはいえ具体的に肌にどのような効果があったのかはわかりにくいですよね?
試験食品摂取前後の肌の赤みを比較したものが次のグラフです。
キリンホールディングスHPより引用
肌の赤みはiMUSE(イミューズ)の摂取で有意に軽減しています。
つまりプラズマ乳酸菌が肌の炎症を緩和したものと推測されます。
美肌効果があると言われている乳酸飲料はヤクルトのミルミルが有名です。
ヤクルトのミルミルの効果については別途記事を書いています⇒【美肌】ヤクルトのミルミルは何の効果があるのか?整腸作用だけじゃなかった
読んでみてください。
イミューズ(iMUSE)プロフェッショナルの効果は?
このように4つの効果をもつiMUSE(イミューズ)ですが、iMUSE(イミューズ)プロフェッショナルという商品が存在します。
医療機関や薬局で取り扱いのある商品となっていますが、医薬品ではないためネットでも購入できます。
成分は他のイミューズ(iMUSE)と同様1日分として1000憶個のプラズマ乳酸菌が含まれています。
加えてイミューズ(iMUSE)プロフェッショナルにはL-アスコルビン酸2-グルコシドという成分が1日分として7mg(35mg×0.2)含有されています。
L-アスコルビン酸2-グルコシドはビタミンC誘導体とも呼ばれ、次のような特徴があります。
ビタミンC誘導体(ビタミンシーゆうどうたい、Vitamin C Derivatives)とは、ビタミンC(L-アスコルビン酸)を改良した誘導体。またプロビタミンCは、生体内で酵素反応によりビタミンC(L-アスコルビン酸)となるもの[1]。ビタミンCは強い抗酸化作用があるが不安定で分子構造が壊れやすい。そのため、ビタミンC誘導体では物質として安定化したり(分解しにくい)、皮膚への吸収性や皮膚乾燥の副作用を改良している。1940年代には食品添加物として利用され1960年代には美容目的に使用されるようになり色素沈着抑制[2]、ニキビなどに使用される。日本で医薬部外品として認可された美白有効成分には複数のビタミンC誘導体が含まれる[3]。イオン導入や[4]、ケミカルピーリング後に塗布される[5]。
Wikipediaより引用
ビタミンC誘導体は美容目的として使用される成分ですが、正直iMUSE(イミューズ)プロフェッショナルに含まれる1日7mgという量は少ないです。
ビタミンC誘導体を含有する食品は他にもありますので紹介しておきます。
商品名 | ビタミンC誘導体 1日摂取量 |
1日あたり費用 |
ルイボスC | 85mg | 約50円 |
プロビタC | 500mg | 約220円 |
7mgどころかその10倍、70倍以上の商品が存在します。
そしてルイボスCやプロビタCは粉の食品ですので、摂取量の調整が容易です。
例えばプロビタCを購入すれば1日約3円という破格の値段でiMUSE(イミューズ)プロフェッショナルと同量(7mg)のビタミンC誘導体を摂取できます。
プラズマ乳酸菌の効果を期待するのであれば素直にiMUSE(イミューズ)を購入し、加えてビタミンC誘導体の効果を期待するのであればルイボスCやプロビタCを購入することをオススメしたいです。