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株式投資

SPXLは投資対象になるのか|過去70年の理論値を計算

投稿日:2019年4月4日 更新日:

SPXLのチャート

この記事ではS&P500の1日の動きの3倍の値動きをするSPXLというETFについて解説しています。

SXPLの長期チャートを見ると昇率が半端なく、このETFだけを購入していれば十分に資産が形成できるようにも思えます。果たしてその考えは正しいのか否か、解説していきます。

SPXLへの投資は大いにあり

SPXLという銘柄をご存知でしょうか?

正式名称をディレクションデイリーS&P500ブル3倍という海外のETFで、S&P500の1日の値動きの3倍変動をする銘柄です。

S&P500とは米国に上場している代表的な500銘柄を組み込んだ主要な株価指数であり、SPXLはそのS&Pの3倍の値動きをします。

ただ注意しなくてはいけないのは、1日の値動きは3倍になるものの2日以上の期間で見ると必ずしも3倍になるとは限らない、という点です。なぜそのような値動きになるかについてはレバレッジをかけられるETFの仕組みと注意点という記事を書いていますので参照いただけると幸いです。

何にせよSPXLは株価指数S&P500と連動し、かなり値動きの激しいETFであることは間違いありません。この記事ではそのSPXLに対して投資を促す記事になっています。

SPXLはS&P500より遥かに高いパフォーマンスを得られる可能性が高い

SPXLは先ほども申し上げましたがS&P500に連動し、SPXLの1日の値動きはS&P500の1日の値動きの3倍です。

ではまずSPXLの元となるS&P500が過去にどのような値動きをしたのかを見ていくことにします。

S&P500の過去70年間の値動きは?

まずは、S&P500の過去データから見ていきましょう。取得できる限り長期のデータ(70年,1950年1月3日~2020年1月23日)を取得しました。

ちなみにS&P500の過去データはyahooUSAのS&P500のページから取得可能です。

S&P過去70年のチャートは以下のようになります。

SP500過去70年

70年チャートだと非常にわかりにくいのですが、年平均7.5%(配当抜き・複利)の利回りがあります。

1950年の1月4日に17.23ドルだった株価指数は、2020年1月23日に3321.75ドルへと高騰。

株価指数は192.78倍になっています。これだけでも十分投資妙味があると思うでしょう?

SPXLの2008年からの値動きを確認

次にSPXLのチャートです。

1日の値動きがS&Pの3倍動くETFですが、果たしてどのような値動きをするのでしょうか?

このETFは設定されたのが2008年11月7日であり、最大限長期のチャートを取得すると下の図のようになります(最終日は2020年1月23日)。

SPXL20190123

激しく上昇しているのがわかりますが、気を付けなくてはいけないのがこのETFの設定日。

2009年3月9日にS&Pはリーマンショックの大底を迎えています。つまりリーマンショクが底を打つ少し前という、究極的に良いタイミングでETFが設定されたわけです。もしリーマンショック以前にこのETFが設定されていたらどうなるのか・・・?

SPXLの過去69年の理論値

その値を出すことは可能です。

このSPXLは1日の変動率がS&P500の3倍なわけですから、S&P500の値動きがわかれば過去の値動きもシミュレーションすることができるのです。

過去のS&P500の株価指数の値動きから理論値を割り出してみましょう。

まずは2019年4月4日、この記事を公開した時点SPXLをデータが取得できる最大限、過去69年にわたり理論値を割り出したものが以下のグラフになります。

SPXL69年間チャート

1950年に17.23ドルであったSPXLは538205.1ドル、31236.5倍へと暴騰したわけです。

1950年に1万円を投資していたなら、2019年には3億円超の資金を手にしていたことになります。

生まれた瞬間に1万円投資するだけで、もはや老後の心配をする必要がない資金が手に入ります。

ただSPXLは2000年3月24日に680,234ドルをつけて以来、2019年はその高値を抜けていないのがわかります。

19年を経過した現在も高値を抜けていないようであればそれは長期投資商品として価値があるのか疑問にかられても仕方のないところです。

SPXLは過去の高値を更新した

記事の公開から10カ月が経過し、2020年1月23日現在のSPXLの理論値を計算し直すと次のようなグラフになりました。

SPXL20200123

2019年下期に米国は政策金利を引き下げ米国株は上昇し、2019年の11月8日にSPXLの理論値も過去70年で最高値であった2000年3月24日の高値を19年ぶりに更新しました。

2020年に入り中国と米国の貿易戦争に解消の兆しが見えたことにより、2020年1月23日のSPXLは845,553ドルと1950年の指数の49,074倍に成長しています。

1950年1月3日に1万円をあなたがSPXLへ投資していたとしたら、2020年には約5億円が手元にあったわけですね。

SPXLの将来株価シミュレーション

1950年に資金を投下していたらボロ儲けだったことはおわかりいただけたかと思います。

「でもチャートを見ると随分高値に来ているようだし、今から投資しても遅いんじゃないの?」

と思われる方もいるでしょう。

じゃあもし今までのペースと同様に2020年1月から69年間S&P500の株価が推移すると、SPXLの株価はどのようになっているのでしょうか?

69年後のSPXL

土日を省いてないせいで、グラフでは2066年が最終になっていますが、横軸の終わりは実際には2089年です。

グラフを見ると、2019年の株価なんてどうでもよくなっていることがお分かりいただけるかと思います。複利で株価が上昇すると、数十年前の株価はほとんど考慮に入れる必要がないくらい小さなものになってしまいます。

SPXLが暴落した時は投資額が吹き飛ぶが

さてSPXLは1日の株価の値動きが3倍になる銘柄ですが、2009年3月に設定された銘柄のため、リーマンショックを経験していません。

もしもリーマンショック以前にSPXLが設定されていたとするならば、リーマンショック時には果たしどれだけSPXLは下落したのかを見ていきましょう。

2008年8月11日に1305.32ドルを付けたS&P500ですが、2009年3月9日には676.53へ下落します。実に48.2%もの下落を経験しています。

次のグラフはリーマンショックが起きた時のSPXLのシミュレーション結果です。

リーマンショックSPXL

2008年8月11日を1392.7ドルだとすると、2009年3月9日には115.4ドルになっています。

最高値から91.7%が失われていたことになります。

最高値で100万円を投資していれば、10万円も残らないという悲惨な状況ですね。

しかしこの悲劇的状況からSPXLは復活します。

もし2009/3/09に100万円を投資していれば、2020/01/23には53.1の5,310万円になっています。

もちろん、リーマンショック前に投資していたとしても現在は利益が出ていることになります。

暴落時でも下値を拾えれば、上昇時に大きな利益をあげられることがわかります。

SPXLに余剰資金をつぎ込んでいけ

とは言え現実問題として2000年3月つまりITバブルの絶頂期に、もし全資産をSPXLに投資していたとしたら・・・2019年にもなってその高値を抜けていないという悲惨な状況になっています。(2020年1月26日追記:2019年11月に過去最高値を抜きました)

下げ相場では想定した以上に下げるのがレバレッジ型ETFであり、上げ相場にはその逆が起こります。

全資産を一度に投下するのではなく下げ相場を常に想定し下値で拾えるよう、資金を分割して余力を下値でつぎ込めるような資金管理が必要と言えます。

そうすれば仮にITバブルの頂点で投資をしてしまったとしても、下値でナンピンすることにより購入平均価格を下げることができ、最終的には大きな利益を得られることになるでしょう。

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執筆者:


  1. 河豚鮑 より:

    たまたま、US株投資したくてSBIのサイト見てたら、社内売買代金TOPがSPXLというレバレッジETFだったので、取り合えず日本時間11/4のUS開始前にSPXLを500株60㌦で買う注文を出しました、約定価格は57.77㌦でした。為替108.23円で受渡代金328万円。その際に、このサイトを見つけました。実は、ここ数日はSBIが最近取扱いを始めたSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドを積立しようと思っていましたが、高値を抜けて来たし、丁度一年後の大統領選までトランプの再選作戦的に言っても経済上げ上げの環境づくりに乗る意味でも、かったるいバンバードS&P500のインデックスよりも3倍動く方のSPXLに賭けたわけです。これから、安い日に100株位づつ乗せ、2000株までにしようと考えています。

    • たぬ より:

      河豚鮑さま。
      コメントありがとうございます。

      投資額かなり多いですね笑

      こんな記事書いておいてアレですが、株式投資のほとんどは1557ETFやGMO証券のCFD取引(SP500)でやっています。
      SPXLは主にマネックス証券のNISAで数十万とIB証券で100万程度運用しているだけです。
      2000株、うまくいけば莫大な資産が形成できますね。

  2. だいちゃん より:

    63才のリタイア世代です。
    65才になれば各種年金で充分生活できそうです。

    したがって資産の大部分をドルに換えてSP500で運用して2年ほど経過しています。
    これは10年先を考えていますが、現在は複利で4,000万円→5,200万円程です。

    その他に余剰の1,500万円を生活費の補助用にドルでNASDAQのETFを運用していましたが、今一つなので、レバレッジが効くSPXLを考え始めました。

    考えているのは「たぬさん」と同じように(?)下げ相場用に500万円を確保しておいて、1,000万円を投資しようかなと考えています。

    SP500の運用は、暴落があっても必ず「アメリカ経済の右肩上がり」を信じているからです。

    • たぬ より:

      だいちゃんさま

      コメントありがとうございます。
      リーマンショック後の米国市場は非常に堅調に推移しているため資産も右肩上がりですね。
      NASDAQのETFは1545でしょうか?
      私も持っているのですが信託報酬率が高いのが難点です。

      「私は高値から〇%下落したら〇〇万円を投資する」というのをあらかじめ決めて投資しています。
      上がっても良いし下がれば安く仕込めてラッキー、と単に心理的な安心感が欲しいだけなんですけどね。

      私もアメリカ経済が成長を続けることを前提に投資をしていますし、少なくとも日本経済の将来に投資するよりは優れた投資先だと思っています。

  3. 通りすがり より:

    個人的にはこういうのは資金の少ない人が一発逆転をねらうモノで、ある程度の資金がある人が積み立てなどで買うようなモノではない気がします どうしても買うのなら資金の1%かどんなに多くても5%だけ買って後は買った事を忘れて気絶するのが良いと思います

    • たぬ より:

      通りすがりさま
      コメントありがとうございます。

      資金のある人はリスクを取る必要がない場合が多いですからね。
      例えば1億の資産があれば不動産購入しておけばとりあえず生活できるレベルのインカムゲインは得られますし。

      でも人の欲望は果てなく、1億溜まれば5億欲しくなりますし、5億あれば10億欲しくなるものなんだと思います。

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管理人の「たぬ」です。
株式投資・不動産投資・オプション取引をメインに日々最も安全かつ効率的な投資方法を模索しています。

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