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固定資産税とは何か?その計算方法と共に解説

投稿日:2018年12月23日 更新日:

家とお金

不動産を取得するともれなく課される固定資産税。

その仕組みと計算方法をわかりやすく解説しています。

単純に課税評価額に税率をかけるだけではなく、固定資産税が安くなる特例等もあるため、それも含めて解説しています。

固定資産税とは?誰がいつまでに支払うの?

固定資産税とは、土地・家屋および償却資産を1月1日の段階で所有されている方に課される税金で、支払先はその固定資産がある市町村です。

あくまで1月1日段階で所有されている方に課される税金ですので、例えば年末に土地や家屋を売却してしまった場合、翌年の固定資産税は課されません。

(ただ、一般的に不動産を売却する場合は、固定資産税を日割り計算して売主と買主が双方負担するのが暗黙の了解となっています。)

1月1日段階での所有者に対して、固定資産税の通知が郵送されてきますが、その通知は概ねその年の4~6月ごろになります。

通知を受け取った納税者は、定められた期限までに固定資産税を払う義務があります。

通知書と一緒に固定資産税の払い込み用紙が封入されていますので、それを利用して一度に固定資産税を払うこともできますし、分割で支払いたい方は4回に分けて支払うこともできます。

一括払いでも分割払いでも、通知書と一緒に払い込み用紙が封入されていますので、それぞれの用紙に定められた期限までに支払いを完了しましょう。

支払い方法は、市町村によって異なるのですが、払込票を持っていけばコンビニや銀行、郵便局で支払うことができるはずです。また市町村によってはクレジットカードでの支払いを許可してくれいていることろもあります。

私の場合は京都市に不動産を所有していますが、京都市はクレジットカード払い不可ですね。クレジットカード払いを選択すれば、ポイントも入るので京都市には是非改善していただきたいところです。

都市計画税とは?固定資産税とは違うの?

固定資産税と混同されがちなのが都市計画税です。

固定資産税通知と一緒になっているため、固定資産税の一部だと思われがちですが別物です。

固定資産税とは異なり、都市計画税はその税金の使い道が決められています。

都市計画税は、その固定資産が存在する市町村の都市計画事業や土地区画整理事業の財源に充てられる税金です。

この税金を支払うことにより、固定資産のある地域が区画整理される際の財源が増えるわけですね。

固定資産税と都市計画税の計算方法

固定資産税と都市計画税の違いがおわかりいただけたところでその計算方法をお伝えしていきます。

固定資産税と都市計画税の税率は以下の式に従います。

課税標準額×(固定資産税率+都市計画税率)

固定資産税率と都市計画税率

固定資産税率と都市計画税率は市町村が任意に設定することができます。

が、固定資産税率については標準税率の1.4%である市町村がほとんどです。

同様に都市計画税率も市町村が任意に設定することができるのですが、限度税率(上限)が0.3%と定められており、その上限に従って0.3%に設定している市町村が多いです。

しかしながら、0.3%未満の範囲内に設定している市町村もしばしば見られますので、所有されている不動産がある市町村へ確認が必要です。

1.4%と0.3%を足して1.7%、この税率が固定資産税と都市計画税として徴収される場合が多いです(私の所有する物件の税率も1.7%です)。

課税標準額とは

課税標準額と聞いてもピンとは来ないでしょう。

一般的に固定資産は土地+家屋によって構成されていますね。

土地と家屋それぞれに評価額=課税標準額が設定され、それぞれを合算したものに対して上記の税率がかけられます。

次にその土地と家屋それぞれの、課税標準額の算出方法を見て行きましょう。

土地の課税標準額(固定資産税・都市計画税算出基準)の計算方法

課税標準額に、固定資産税率+都市計画税率をかければ、固定資産税と都市計画税が算出できます。

固定資産税率と都市計画税率は殆どの地域で、合算して1.7%となります。

では、課税標準額がわかってしまえば、計算は簡単にできてしまいますね。

まずは土地の課税標準額はどのように決まっているのかを解説していきますね。

地価公示と課税標準額の関係

土地の課税標準額は1月1日現在の、地価公示から求めた価格の7割を目途に算出されます。

地価公示とは、毎年1月1日時点の正常価格を不動産鑑定士が鑑定し、それを土地鑑定委員会で審査し決定された価格のことで、毎年3月下旬に公表されています。

新聞やニュースなどで毎年話題になるやつですね。最終的に決定を下すのは国です。

(ちなみに、地価公示はあくまで国が決める土地の価格であり、実際に売買する土地の価格はと大きく乖離することもあるので、単純に土地の購入価格がその年の地価公示になるとは限りませんので注意が必要です。)

土地の課税標準額は地価公示のおよそ7割になるように、所有土地が存在する市町村が均衡化・適正化を図って決定をしています。

つまりは国が決定した地価公示を踏まえて、各市町村がその価格の7割となるように課税標準額を決定していることになります。

地価公示の7割の価格は、固定資産税路線価として公表されています

路線価は平米単位あたりの価格ですので、所有している土地が接している路線価に土地の平米数を掛けたものが土地の課税標準額の目安となります。

同じ道路に面していても、土地の形状や公共施設等との近接状況により土地の価値は変化するため、それらを組み入れて最終的な課税標準額が決定されます。

例えば同じ敷地面積であっても、正方形の形状の土地の方が、いびつな土地の形状のものより価値は高くなるため、前者のほうが課税標準額は高くなります。

住宅地等(土地)に対する課税標準の特例

さて、晴れて所有土地の課税標準額が決定したわけですが、この額に直接固定資産税率と都市計画税率(合わせて1.7%)を掛けると土地の固定資産税はとてつもなく高くなってしまいます

そんなことにならないよう、家屋が建っている土地には課税標準の特例が設けられています。

住宅地に対する課税標準の特例とは、簡単に言えば土地の上に住宅が建っていれば、土地の固定資産税が安くなるよってことです。

住宅用地(住居のための家屋が建っている土地)のうち、200平方メートル以下の住宅用地(アパート、マンションなどは、その住居の数に200平方メートルを乗じた面積)を小規模住宅用地と呼び、200平方メートルを超える住宅用地を一般住宅用地と言います。

それぞれの用地で土地に対する課税標準の特例が設けられています。

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地

(200平方メートル以下の部分)

評価額×6分の1(特例率) 評価額×3分の1(特例率)
一般住宅用地

(200平方メートルを超える部分)

評価額×3分の1(特例率) 評価額×3分の2(特例率)

また、非住宅用地であっても課税標準の特例が適用されます。

住宅用地以外の宅地(駐車場・事務所・店舗等の敷地や更地)の場合原則として次の式に従い課税標準額は安くなります。

被住宅用地の課税標準額=評価額×70%

土地の課税標準額は3年に1度に見直される

土地の固定資産税・都市計画税の計算方法を見てきましたが、公示価格は毎年発表されるため、土地の価値は毎年変わることになります。それに伴い、土地の固定資産税・都市計画税は毎年変更されるのでしょうか?

結論から申し上げると、更新は3年に1回だけであり、定められた年に行われます。平成30年は課税標準額の見直しの年であり、次回は平成33年です。

毎年固定資産税・都市計画税の変更業務をやることは、市町村にとって大きな負担になってしまう、というのが理由です。

建物の課税標準額(固定資産税・都市計画税の算出基準)の計算方法

土地の課税標準額について、その決まり方を説明してきました。

では、建物の課税標準額はどのように決定されるのでしょうか?

中古で家やマンションを購入された場合、新築時にすでに建物の課税標準額が計算されているため、何もしなくても課税標準額は決まっています。

しかし、注文住宅等で戸建てを新築すると、市役所の方が来訪して、家屋の調査が行われることとなります。

家屋設備で見られるポイントは、家屋内の天井・壁・床の仕上げ材・建具・設備関係。

どのような資材がどれだけの量使用されているのかを家屋調査によって把握されます。

また、家屋調査してもらう都合がどうしてもつかない場合(在宅していない場合)は、図面だけを市役所の担当課へ渡して調査してもらうこともできます。

どちらの場合でも、家屋の建築費用がいくらであったかは問われず、家屋のグレードと床面積が課税標準額の大きなウェイトを占めます(とはいけ、グレードと床面積は建築費用に大きく影響を与えますので、建築費用と固定資産税の相関性は高いですが)。

市町村は家屋調査により把握した資材などをもとに、総務省が定める固定資産評価基準の資材単価や補正率などを適用し、再建築価格(同一の家屋を再建築した場合に必要となる建築費)を算出します。

積水ハウスなどの高グレードハウスメーカーで建てた建物は、当然ながら再建築価格も高くなり、課税評価額も高くなります。

家屋調査と再建築価格の算出が終了したら、その再建築価格に1年間分の減価率を掛けたものが評価額となります。

後述しますが、家屋は当然経年劣化します。その劣化は価値が減ることから、「減価」と表現されます。

固定資産税の支払いが生じるのは、家が出来た翌年です(1月1日現在の固定資産所有者に対して課税義務があるため)。

固定資産税を支払う段階では1年分建物の劣化(減価)があるため、新築の建物は再建築価格に1年間の減価を加味したものが評価額となるのです。

ちょっとお得ですね。

また、マンションや建売に関してはすでに課税標準額の調査が終わった後での引渡であることが多いですので、家屋の調査に来られることは少ないと思います。

建物の課税標準額も3年に一度、見直しされる

さて、先ほども申し上げましたが、家屋は減価していきます。

家屋は劣化していくのに、固定資産額がいつまでたっても同じではたまったものではありません。

しかしながら毎年家屋の固定資産額を計算するのも市町村にとっては大きな負担となります。そこで、家屋の課税標準額も3年に1度、土地と同じ年に見直しが行われます。

見直しは次のような手順で行われます。

1、再建築価格の算出

3年ごとの基準年度に、「固定資産評価基準」において再建築費評点補正率が示されます。

これに前基準年度の再建築価格を乗じたものが、新たな再建築価格となります。
※再建築費評点補正率とは、基準年度の属する2年前の7月現在の東京都(特別区の区域)における物価水準により算定した工事原価に相当する費用の前基準年度の賦課期日の属する年の2年前の1月現在の当該費用に対する割合を基礎として定めたものです。

難しいことが書かれていますが、要は3年に一度同じ建物を建築した時の建物価格を計算し直しますよ、ということです。

建築資材の価格や人件費は景気の動向や経済状況によって変化していきます。

建築費用が高騰することもあれば、逆に安くなることもあります。

それらを加味した数値を補正し、同じ建物を再度建築した時にいくらかかるかを計算します。

2、見直し後の評価額の算出

新たに求めた再建築価格に、新築時からの経過年数に応じた減価率を掛け、見直し後の評価額を算出します。

先ほど計算した、再建築価格に経年劣化による減価率を掛けます。

それが新たな課税標準額となります。

しかし、その課税標準額が前回より高くなってしまったらどうなるのでしょうか?

3、見直し前の評価額との比較

見直し前(前年度)の評価額と比較した結果、見直し後の評価額が見直し前の評価額を下回った場合は、見直し後の評価額が新たな評価額となります。
逆に、見直し後の評価額が見直し前の評価額を上回った場合には、見直し前の評価額を据え置くこととされています。

つまり、仮に建築費や人件費等の高騰により再取得費用が高騰してしまったとしても、前年度よりも家屋の課税評価額が上がることは無い、とうことですね。

新築住宅の減額措置(一定期間家屋の固定資産税額が半額)

今まで見てきたように、家屋の課税標準額は1年目が最も高くなります。

その後、固定資産の見直しがされた段階で建物については減価がありますので、家屋にかかる固定資産税は前年度以下になります。

もし工事原価が高騰し、家屋の減価分を超えるような資産インフレが起きたとしても、前年度よりも家屋の固定資産税が高くなることはありません。

このような「家屋の固定資産税は新築初年度が最も高い」状況を緩和させるため、要件を満たした新築住宅は固定資産税が1年目から一定期間減額(家屋の固定資産税額の1/2が減額)されます。

なお、この減額措置はあくまあで家屋の固定資産税の減額であるので、家屋の都市計画税および土地の固定資産税・都市計画税は減額されませんので注意が必要です。

新築住宅の減額措置が適用となる住宅

この減額措置が適用される住宅は以下の通りです。

専用住宅または居住部分の面積割合が50%以上ある併用住宅のうち、

居住部分の床面積が50平方メートル(一戸建て以外の賃家住宅は40平方メートル)以上280平方メートル以下

の家屋です。

そして軽減対象床面積は

120平方メートルまで(120平方メートルを超える場合は、120平方メートル相当分)

までです。条件を満たせば、120㎡以下の家屋については固定資産税が半額になります(仮に120㎡より広い家でも、120㎡以下の部分は固定資産税が半額になります)

新築住宅の減額措置が適用となる期間

減額される期間は次の表に従います。

1 2~4以外の住宅 新築後3年度分
2 3階建て以上の中高層耐火住宅(マンションなど)で、4以外の住宅 新築後5年度分
3 認定長期優良住宅で、4以外の住宅 新築後5年度分
4 認定長期優良住宅で、3階建て以上の中高層耐火住宅(マンションなど) 新築後7年度分

固定資産税の計算方法のまとめ

ここまで書いてきたことをまとめてみたいと思います。

  • 固定資産税と都市計画税の税率は一般的にそれぞれ1.4%と0.3%
  • 固定資産税・都市計画税には土地と家屋分の2種類があり、それぞれ異なる課税評価額が決められる。
  • 土地・家屋の固定資産税・都市計画税は3年に1回見直しがある。
  • 住居用の土地は、課税評価額が大幅に下がる。結果、固定資産税と都市計画税も大幅に下がる。
  • 新築の家屋は3~7年間、家屋分の固定資産税が半額になる措置がある
  • 家屋は劣化による減価があるので、経年により固定資産税は下がることが多い

関連記事として、実際に私が新築不動産を建て、固定資産税・都市計画税の家屋調査に来られた時のことを記事にしています。どのような計算方法で新築の家屋と土地の標準価額が決定していくのかをまとめていますので、ご参照ください。

新築の固定資産税・都市計画税はいくらになるのかを計算。家屋調査の実態とは?

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株式投資・不動産投資・オプション取引をメインに日々最も安全かつ効率的な投資方法を模索しています。

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