株式投資と投資信託とFX投資。いずれも投資と呼ばれていますが、それぞれ投資の内容は大きく異なります。
この記事では、株式投資・投資信託・FX投資、それぞれの投資先・リスクとリターン・運用コストなどに焦点をあて、解説していきます。
株と投資信託とFXの違い
投資をしようと思い立った時に、思いつくのは株式投資・投資信託・FX投資ではないでしょうか。
結論から言うと、株と投資信託は同じカテゴリーに入れて良いですが、FXは全然別物!というのが私の意見です。
それぞれの特徴をこれから見て行きますが、株式投資については別で記事を書いています。
また、株式投資と投資信託の違いについての記事も別で書かせていただきております。
ですので、今回はFXのお話をしていきます。株式投資や投資信託との違いがおわかりいただければと思います。
FX投資とは何に投資することなのか?
FXとは「Foreign Exchange」=外国為替 のことです。
「外国為替」って何?とおっしゃられる方もいるかもしれませんね。
よくニュースで本日の円相場は1ドル100円・・と言われているのを聞いたことくらいはあるでしょう。
異なる2国間の貨幣の価値は毎日変動しています。
例えばあなたが米国で10ドルで売られている商品を購入したいと思ったとしましょう。
1ドル100円ならば、あなたは1,000円を支払えばこの商品を購入することができます。
しかしもし1ドルが110円になったらどうなるでしょう?あなたは10ドル×110円=1,100円を支払う必要があります。
あなたからすると、「商品が値上がった」と思うかもしれませんが、売り手側からすると同じ10ドルで販売している商品ですので、商品が値上がっているわけではありません。
値上がっているのは何でしょうか?
「ドルの価値」ですね。逆に言えば、「日本円の価値が下がった」とも言えます。
つまり、FX投資とは貨幣の価値に対して投資を行うということにもなりますね。
FXは外国為替の変動を予測して投資する
なぜ毎日各国通貨は変動するのでしょうか?
という質問には、その時々の状況において理由がありますので、詳しい説明は割愛しますが、基本的に国の経済力が強くなればその国の通貨も強く(高く)なるということだけを覚えておけば良いでしょう。
何にせよ、この外国為替の変動を予測して資金を投入し、差益を得るのがFX投資です。
例えば、1ドル100円の時にドルを購入し1ドル110円の時にドルを売却すれば、10円の儲けが出ますね。
そして、為替は地球が動いている限り常に動き続きます。つまり24時間、貨幣の価値は変わり続けているのです。
FXはレバレッジをかけるられるが、ハイリスクハイリターン
また、FXの特徴として、大きなレバレッジをかけられる。ということがあげられます。
レバレッジとは何でしょうか?
レバレッジは日本語に訳すと「てこ」ですね。
「テコの原理」を聞いたことがあるでしょうか?小さい力で大きな物を動かす時に利用するのが「てこの原理」です。
同様に、小さい資金で大きな金額を動かすことを「レバレッジをかける」と言い、FXの場合最大で自己資金の25倍の資金を動かすことができるのです。
1ドル100円の時に1ドルを購入しようと思えば100円かかります。そして110円の時にそのドルを円に戻せば10円の利益が出ます。
ところが25倍のレバレッジを掛けると、100円で25倍の2,500円分のドルを購入することができるのです(25ドル購入できる)。
すなわち、110円の時にそのドルを円に戻せば、250円の利益が出るのです。
これを例えば100万円で行うと、250万円の利益が出る、という計算になります。
もちろん、ドルが下がれば大きな損失が出ます。ですので、レバレッジのかけ方次第では、ハイリスクハイリターンな投資となります。
FXは金利差益を得ることができる
また、2国間の金利差を利用して利益を得ることもできます。
日本は今金利が0に近い状態ですが、海外の金利は0ではありません。
金利が低い日本の円から、金利の高い海外の通貨に乗り換えることによって、その乗り換え先の通貨の金利を得られるようになります。
この金利差を「スワップポイント」と言います。
例えば2018年10月現在だと、米ドルのスワップポイントは1日1万通貨あたりだと、80円程度になっています。1万通貨、1ドルが110円だとすると、1万ドル=110万円を運用すると年間で3万円ほどのスワップポイントが入ることになります。
また、FXはレバレッジがかけられますので、1万ドルを運用するのに110万円を運用する必要はありません。
最大25倍のレバレッジをかけて運用すれば、4.4万円の資金で3万円の金利を受け取ることができる計算になります。金利にすると68%ですね。
理論上はものすごい金利を得られることになります。
FXにかかるコストを解説
FXにかかるコストは、基本的には売買の時のみになります。
基本的には、と言ったのは先ほど述べた金利差があるからですね。
今のところ日本の金利は低く、海外の金利が高いため金利差を得ることができるようになっています。しかしながら将来的にこの状況が逆転すれば、逆に金利分を支払わなければならなくなってしまいます。
日本の金利が急上昇するような兆候はありませんが、金利を支払う状況になり得ることは覚えておいた方が良いでしょう。
そして売買手数料ですが、FXでは手数料を「スプレッド」として支払うことが多いです。
スプレッドとは、たとえば1ドル100円の時にドルを購入しようとするときには1ドル100.003円支払わないといけないというルールがあり、その差額のことを指します。この場合は0.003円ですね。100円に対して0.003円、100万円なら300円コストがかかるわけですね。
このスプレッドが証券会社の手数料収益となるのですが、スプレッド差は証券会社によって異なりますので、できるだけスプレッド差が小さい証券会社を選ぶことも大切です。
一般的に、FXは売買を激しく行う人が多いため、売買の手数料は株式投投資や投資信託と比べると安く設定されています。
株と投資信託とFXの違いを投資の初心者でもわかるよう表を作成
ここまでFXの説明に割いてきましたが、株と投資信託とFXを比較するのがこの記事の目的ですので、表を作成しました。
運用元 | リスクとリターン | 価格と取引時間 | 運用コスト | |
株 | 本人 | ハイリスクハイリターン(銘柄による) | 取引時間中は常に変動 | 安い |
投資信託 | ファンドマネージャー | 株式投資よりはローリスクローリターン(商品による) | 価格は1日1回のみ変動 | 株に比べると高い |
FX | 本人 | ハイリスクハイリターン(レバレッジのかけかたによる) | 24時間変動 | 安い |
株式投資は企業に投資し、企業成長と企業収益からの配当金を期待します。
投資信託は、企業および債権などに投資するファンドを選択し、値上がり利益を期待します。
FXは国に対して投資をし、通貨が高くなることや金利差による利益を期待します。
というのが本筋ですが、FXは高レバレッジをかけて通貨の上げ下げのタイミングを見計らい差益を得る、というのが主流になっています。
故に、株式投資と投資信託は比較的長期投資をする人が多いのに対し、FXの投資は超短期投資であることが多く、またレバレッジを利かせることが多いので株式や投資信託とは少しカテゴリーが異なると言えるでしょう。