iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出年金の名前の通り、年金の一種です。しかしながら、iDeCo(イデコ)には他の年金にはない「手数料」がかかります。
その手数料の種類はどのようなものがあるのか、またいくら必要になるのかを解説していきます。
また手数料の種類によっては、iDeCoの拠出先である証券会社や銀行によって金額が変わるものがあります。できるだけ手数料を抑えたいと誰しも思いますよね?
ですので、最後には手数料がお得な証券会社・銀行を具体的に紹介しています。
iDeCo(イデコ)の手数料はどのようなものがあるのか
結論から先に申し上げると、iDeCoの手数料は
- 国民年金基金連合への手数料
- 口座管理手数料
- 信託報酬
の3種類があります。なぜこのような手数料がかかるのか理由を説明し、それぞれの内容と金額を解説していきますね。
iDeCo(イデコ)はなぜ運用に手数料がかかるのか
iDeCo(イデコ)は「確定拠出年金」と名前がつくことからもわかるように、年金の一種です。
しかしながら、他の年金と異なるのは「運用を自分で行う」という点にあります。
例えば国民年金は、国が強制的に掛け金を徴収・運用し、老後資金として保険加入者に分配していきます。
一方、iDeCo(イデコ)は加入の是非を決めるのは当人であり、また加入後でも積み立てをやめることが可能です。
また、運用商品は多岐にわたりますが、その商品の選択は自分で行います。そしてその商品の多くは元本割れする可能性を含んでいます。
つまりは、運用方法の選択とそれに伴うリスクとリターンは全て、掛け金を拠出する本人にかかってくるのです。
そしてそれに伴い、運用に必要な手数料も自分で負担しなくてはいけないのです。
iDeCo(イデコ)を維持するのに必要な手数料を3つ解説
少しiDeCo(イデコ)を始めるのが怖くなってしまったかもしれませんが、iDeCo(イデコ)を運用するための手数料を見ていきましょう。
iDeCO(イデコ)を開始する時に必要な手数料:国民年金基金連合への支払い
iDeCo(イデコ)は証券会社や銀行へ申し込みを行い、証券会社や銀行経由で資産を運用することになりますが、初回に「国民年金基金連合」に2,777円の手数料を支払うことになります。
この手数料はどこの証券会社・銀行を選択しても共通です。
iDeCo(イデコ)に加入している間、毎月必要となる手数料:口座管理手数料
口座管理手数料は、国民年金基金連合・証券会社/銀行・事務委託先金融機関と3者へ支払う必要があります。
そして、掛け金を拠出している時としていない時で手数料が変わります。
掛け金を拠出している時
国民年金基金連合会へ | 103円 |
証券会社・銀行へ | 0円(※) |
事務委託先金融機関へ | 64円 |
※証券会社・銀行により異なる
毎月掛け金を拠出している場合、103円+64円=167円が毎月の運用コストとなります。証券会社・銀行へ支払う口座管理手数料もありますが、無料のことろが多い、というか有料のところを選ぶ必要はありませんので、無料のことろを選びましょう。
掛け金を拠出していない時
国民年金基金連合会へ | 0円 |
証券会社・銀行へ | 0円(※) |
事務委託先金融機関へ | 64円 |
※証券会社銀行により異なる
iDeCo(イデコ)は掛け金の積み立てをしないで、今まで積み立ててきた資産の運用だけを行うことも可能です。
その場合の運用コストは月64円(+証券会社・銀行への口座管理手数料)となっています。
証券会社・銀行へ支払う口座管理手数料は、先ほどと同じく有料のところを選ぶ必要はありませんので、無料のことろを選びましょう。
iDeCoの運用をしている間は必ずかかる手数料:信託報酬
iDeCo(イデコ)を運用していく上で、最終的に最も高額になるのはこの「信託報酬」です。
iDeCo(イデコ)に加入すると、証券会社・銀行を通じて積立金額をどのように運用するかを決定しなければなりませんが、その運用先の商品を販売している会社に対して報酬を支払います。その報酬額は、年間で運用金額の0~2.0%に設定しているところが多く、運用商品によって振れ幅が大きいです。
資産に対する割合が報酬金額になりますので、積立金額が大きくなればなるほど、また資産運用が順調で資産が増えれば増えるほどその額は大きくなります。
iDeCo(イデコ)を維持するのに必要な手数料の総額
これらを踏まえて、毎月積立金を拠出した場合の運用コストはいくらになるのでしょうか?
銀行・証券会社へ支払う口座管理手数料が0円だとして計算すると、
iDeCO(イデコ)に拠出を行っている場合 | 毎月167円+信託報酬+銀行・証券会社への口座管理手数料(0円) |
iDeCo(イデコ)に拠出を行わず運用だけしている場合 | 毎月64円+信託報酬+銀行・証券会社への口座管理手数料(0円) |
となります。
運用コストは、積立金額が大きくなればなるほど信託報酬の割合が大きくなると申し上げましたが、実際そうなのでしょうか?
2つ例をあげて計算してみました。
信託報酬が1%の商品を月2万円で1年間積み立てた時、手数料がいくらかかるのか計算
計算しやすくするために、運用利回りは0%で計算しています。
- 口座管理手数料167円×12=2,004円
- 信託報酬20,000×12×0.01=2,400円
となり、積立額24万円に対して4,404円のコストがかかる計算になります。(この後積立額が増えて行くと、信託報酬金額は上がりますが)
率にすると1.83%ですね。どうでしょう?高いですか?安いですか?
私は高いと思います笑
次な年数を増やして計算してみましょう
信託報酬が1%の商品を月2万円で10年間積み立てた時、手数料がいくらかかるのか計算
同じく計算しやすくするために、運用利回りは0%で計算しています。
10年間の積立額=20,000×12×10=240万
- 口座官吏手数料167円×12=2,004円
- 信託報酬240万×0.01=24,000円
積立額240万円に対して、26,004円のコストがかかります。(この後積立額が増えて行くと、さらに信託報酬は上がります)
率にすると1.08%です。口座管理手数料は殆ど関係なくなり、信託報酬のコストが重くのしかかってきますね。
iDeCo(イデコ)の手数料を証券会社・銀行ごとに比較
銀行・証券会社を手数料で比較する場合、「口座管理手数料が月々いくらかかるのか」ということと、「信託報酬が低くて利回りが良い商品を販売しているか」ということを基準に考えるべきです。そして、後者により重きを置くべきです。
なぜならば、それ以外の費用はどの証券会社・銀行を選んでも共通だからであり、運用額が増えるにつれ、口座管理手数料よりも信託報酬の費用が圧倒的に多くかかるようになるからです。
まずは口座管理手数料が無条件で0円になる証券会社・銀行をご紹介しておきます。
証券会社名 | 口座管理手数料 |
SBI証券 | 0円 |
楽天証券 | 0円 |
マネックス証券 | 0円 |
イオン銀行 | 0円 |
大和証券 | 0円 |
松井証券 | 0円 |
再度になりますが、iDeCo(イデコ)の運用を行っていけば最終的にはコストに占める割合のうち、大部分が「信託報酬」になってきます。
ですので、証券会社・銀行を選ぶ際には口座管理手数料が0円の証券会社を選ぶことも重要ですが、運用したい投資信託の有無と信託報酬の低さにより重点を置くべきだと思います。
最後に、iDeCo(イデコ)を開始するのに必要となるコストをおさらいして締めたいと思います。
- 2,777円を国民年金基金連合へ
- 毎月64円を事務委託先金融機関へ
- 毎月103円を国民年金基金連合へ(拠出期間中のみ)
- 信託報酬(選択した投資信託に依る)