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会社員用 所得税の計算方法

年間の所得税の計算方法はどのようになっているのか会社員・サラリーマンのために解説

投稿日:2018年6月16日 更新日:

年間所得税の計算

今回は、サラリーマン・会社員の年間所得税額の計算方法がどのようになっているのかを書いていきたいと思います。

毎月給与から天引きされる所得税はあくまで概算でした。最終的には年末調整が終わるまで年間所得税は決定されません。

その最終的な年間所得税を計算するためには何が必要で、何を計算すればよいのか。

この記事を読み終えれば、自分で所得税額の計算ができるようになります。

毎月の所得税と年間所得税では計算方法が違う

さて前回の記事で、毎月給与から天引きされる所得税は概算であり、年末の納税者の状況によって最終的な年間所得税額が計算されることがおわかりたいだけたかと思います。

会社員・サラリーマンの毎月天引きされる所得税はどのように計算されるのか

今回はさらに掘り下げて、年間所得税の計算がどのようになされているかを説明させていただこうかと思います。

これを知ることによって、給料からダイレクトに所得税が計算されているわけではなく、その納税者の状況によっては所得税が減免されていることがわかります。

年間所得税を計算する前に、重要なキーワード控除と税率について解説

最終的な年間所得税がどのように計算されるかを説明します・・・が、その前に2つだけ先に覚えておいていただきたい言葉があります。

「控除」と「税率」です。

控除(こうじょ)・・・ひきさること

控除とは引くことです。支給された給料からいろんなものが「控除」されています。といっても「控除」されたものが実際に取られるわけではなく、所得税を計算するために便宜上引く数字なので安心してください。

たとえばあなたの年収が500万円だったとして、それに所得税をかけるとどうなるでしょうか?

所得税は一般的な数字である10%で計算すると、50万も年間で取られてしまいます。

私だったら年収500万円で50万円も所得税を支払っていたら、やってられません。

もしそこに200万円の控除があったなら

(500万-200万)×10%=30万

となり、とても所得税が安くなりましたね。安心して布団の上で眠れそうです。

給料からいろんなものが差し引かれて=控除され、その最終的な金額に税率がかけられて年間の所得税が計算されます。

「控除」とはもらった給料からさしひかれて、最終的な税金を安くしてくれるとてもありがたい存在なのです。

税率・・・税金をかける割合・比率

さきほど説明させていただいた給料からいろいろなものを「控除」された金額に対して、税金がかかるのですが、それを何%にするのかというのが「税率」ですね。

例えば、日本の消費税は2018年現在8%ですが、それは購入した金額に対して8%の税金がかかるということです。一方、所得税の税率とは給与からいろいろ「控除」された金額に対して、「税率」をかけて最終的な所得税が計算されます。

その税率は「控除」されて最終的に残った金額の大小によって変化します。

「累進課税制度」という名前を聞かれたことがあるでしょうか?要は高い給料を貰っている人ほど、税率が高くなる制度ですね。

消費税は誰が商品を購入しても一定税率(8%)がかかりますが、所得税は所得の高い人ほど、つまりお金持ちの人ほど税率が高くなり、より多くの税金がかかるようになっています。

年間所得税の計算はどのようになっているのか、まずは概要を説明

さて、「控除」と「税率」の意味さえわかってしまえばあとは計算するだけなので簡単です。できるだけ専門用語を使用せずに説明したいと思います。

たまに税金解説の記事を見ていると、所得税の計算方法について詳しく説明されている記事があります。

でも、途中で見るのをやめてしまうんですよね。

専門用語が多くて。正確に所得税の計算方法を伝えようとすると、専門用語を使わなくてはならないのですが、正確であることと理解しやすいのとはまた別問題です。できるだけ専門用語を使用せずに説明ができればと思います。

年間所得税の計算ですが、下の計算式で決まります。

年間給料ー(A)ー(B)=(C)

(C)に税率をかけて 最終所得税が計算される

A,B,C それぞれに何が入るのでしょうか・・?

正解は・・・

A 給料に応じた控除額

B その人の状況に応じた控除額

C 税金がかかる金額

です。

順に見て行きましょう。

会社員が年間所得税を計算するのに重要な控除、給与所得控除

A 給料に応じた控除額

給料に比例した控除額とはどういうことでしょう?

これは個人事業主で言うところの経費にあたります。

例えば店を運営し、年間で売上が1億円あったとしましょう。でもそれは売上であって、仕入やら人件費、お店を借りているならテナント料(家賃)も発生するわけで、その売上を達成するのに様々な経費がかかってしまっているわけです。

個人事業主はその領収書やらレシートを集めて計算し費用として計上します。

仮に年間8000万円の費用がかかっていたとすれば、1億から8千万円を引いて最終利益が2千万円となるわけです。そしてその2千万円に対して所得税がいくらか計算されるのです。

サラリーマンも同様に、給料を貰うにあたって自己研磨するための教材であったり、付き合いの飲み会代であったり、スーツ買ったり時計買ったり、会社近くに住むための家賃を支払ったりしているわけですよ。

でも会社員は数が膨大すぎて個別にそういった事情(経費)を計上することができないわけです。

そこで、それぞれの年収に応じた一定の額を経費として計算することを認めましょう、と。それがAにあたる控除額なのです。

では、その控除額いくら引かれるのでしょうか?図で見てみましょう。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
(650,000円に満たない場合には650,000円)
1,800,000円超  3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超   6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超   10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

パッと見ではよくわからないかもしれませんが、収入の多い人ほど控除額が多くなります。しかしながら、年収があがるにつれ、収入に占める控除の割合は小さくなっていきます。

基本的に年収の多い人ほど必要な経費は多くなるかもしれませんが、年収と正比例するほどには経費はかからないからですね。

収入金額×●●% 横の +○○万円 は、急に控除額がガクンと減らないための予防措置です。

もしこれがなければ、年収360万円を超えると急に控除額が減り、「こんなに控除額が減るなら年収359万円の方が得になるじゃないか!」となるのを防ぐためですね。これを考えた人は頭が良いのでしょう。私の頭では思いつきません。

年収と給与所得控除のグラフ

文章の説明だけではおわかりいただけないかと思いましたので、年収と所得控除額の関係性をグラフにしてみました。下の軸が年収、縦軸が所得控除額です。

グラフの傾きがだんだんと緩やかになり、年収1,000万円を超えると控除額は一定になっている、つまりは年収が上がっても控除額は変わらないことがおわかりいただけるかと覆います。

年収と控除額のグラフ

年収と控除額のグラフ。年収が増えるにつれ、グラフの傾きが緩やかになっている。

 

さて、(A給料に応じた控除額)を見てきましたが、これを難しい言葉で給与所得控除と言います。

長くなりましたが、これで(A)=給料に比例した控除額=給与所得控除であることがわかりましたね。

年間給料ー(A給料に応じた控除額=給与所得控除)ー(B)=(C)

(C)に税率をかけて最終所得税が計算される

次に(B)に行きますね。

会社員が年間所得税を計算するのに重要な控除、所得控除

Bはその人の状況に応じた控除です。

サラリーマンの方でも、1年を通じて何の起伏も無く働いている人ばかりではありません。

結婚した、子供ができた、病気になって長期の入院を強いられた、災害になって持ち家が半壊してしまった・・・。など、予期できるにせよできないにせよ、生活が一変してしまうような状況になることはよくあります。そのようなときに、税制として収入から控除をすることにより、所得税を軽減してくれるのです。

この控除ですが種類がたくさんありすぎるので、個別の説明は違うページでおこなっておりますのでご了承ください。

しかしながら、サラリーマンなら多くの人が適用されるであろう控除をいくつか述べさせていただきましたので、見て行きましょうか。

基礎控除

こちらの控除は会社員ならだれでも受けられます。

控除金額は誰でも一定の38万円です。

人は誰でも給与から生活を支えるべき人間が1人だけいます。それは・・・自分自身ですね。自分自身を養う必要から、この38万円が控除されます。38万円で1年間生活できるわけはないのですけど・・・。

社会保険控除

こちらは毎月給与から天引きされている、厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険料・(40歳以上の方であれば)介護保険料の総額となります。

自助努力で節約できるものではないため、当然ですが控除されます。

配偶者控除

上の2つ、基礎控除と社会保険控除は会社員であれば誰しも控除されますが、配偶者控除は結婚されている方に限定されます。

配偶者とは妻または夫のことで、結婚することにより養う家族が増えた場合、生活に必要なお金は増えていきます。そうした納税者のためにこの控除は存在します。

また、この控除は配偶者自身の年齢・所得、または納税者自身の年収によっても控除される金額は上下します。

配偶者控除のように、サラリーマン全員を対象にするのではなく、特定の環境に置かれた人の税を軽減する目的の控除は非常に多いです。

3つだけですが、その人の状況に応じた控除を説明させていただきました。

こうした基礎控除・社会保険控除・配偶者控除等の、その人の状況に応じた控除を難しい言葉で所得控除と言います。

年間給料ー(A給料に応じた控除額=給与所得控除)ー(Bその人の状況に応じた控除額=所得控除)=(C)

(C)に税率をかけて最終所得税が計算される

会社員が年間所得税を計算するには、課税所得に税率を掛ければよい

最後に(C)を説明させていただきます。

給料から給料に応じた控除をし、そして各個人の状況に合わせた額を控除し、残った金額を課税所得と言います。

税金を課される所得、略して課税所得です。そのままですね。

年間給料ー(A給与所得控除)ー(B所得控除)=(C課税所得)

(C課税所得)に税率をかけて最終所得税が計算される

これにて空欄が全て埋まり、所得税の計算ができるようになります。

年間所得税を計算するための最後の数字、所得税率の決まり方

課税所得に税率をかけると書きましたが、では税率はいくらなのか?という話になりますよね。

その税率について説明させていただきます。

課税所得金額によって税率は異なり、以下の表に従います。つまり課税所得金額がわかってしまえば、自動的に所得税率は決まってしまうのです。

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

課税所得が増えるに従い、税率が上がるのがおわかりいただけるかと思います。

課税所得と所得税の関係をグラフにしてみました

ちょっと話は逸れますが、グラフを使って課税所得と所得税の関係を見てみましょう。

グラフが直線にはなってないのがおわかりいただけますでしょうか?

累進課税ですので、年収と共にグラフの傾きが急になっています(税率が高くなっています)。つまり年収が高くなると税率が高くなるのですね。

会社員が年間所得税を計算する方法のまとめ

年間所得税の計算式は以下の通りです

年間給与ー給与所得控除ー所得控除=課税所得

課税所得×税率=所得税

給与所得控除は年間給与がわかれば自動的にわかる。所得控除はその人の状況に合わせて変化する。課税所得がわかれば税率は自動的にわかる。

つまり、年間給与と所得控除がわかれば、所得税の計算はできる

次に、この話を踏まえ、実際の給与や所得控除の数値をあてはめて具体的に計算をしていきます。

所得税の具体的な計算を見ていただきたい理由

ここまで、年間所得税の計算を行う為の計算式を説明してきました。

説明だけで具体的な例が一切無かったので、分かりにくい点もあったかもしれません。

ですので最後に具体的な年収や所得控除の条件を付与して、計算をしていきたいと思います。

恐らくは具体例を見ていただいた方が理解は早いと思います。

所得税の具体的な計算:会社員、年収300万円、独身、社会保険料45万円の場合

年間給料ー(給与所得控除)ー(所得控除)=(課税所得)

課税所得×所得税率=所得税

の式にあてはめて計算してみましょう。

給与所得控除の計算

給与所得控除を計算するには下の表が必要でしたね。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
(650,000円に満たない場合には650,000円)
1,800,000円超  3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超   6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超   10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

年収300万円でしたので、計算式は

3,000,000万×0.3+180,000円=1,008,000円

所得控除の計算

こちらの控除は、その人の状況に合わせた控除を受けられるのですが、便宜上、基礎控除と社会保険料控除以外の控除がないとして計算します。

基礎控除380,000円+社会保険料控除450,000円=830,000円

課税所得の計算

年間給料3000000円-給与所得控除1008000円-所得控除830000円=課税所得1,162,000円

税率と年間所得税の計算

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

課税所得は1,162,000円となりますので、所得税率の表を見ると195万円以下が該当します。

よって税率は5%です。

1,162,000×0.05=所得税58,100円

例1の方の年間所得税は58,100円ということがわかりました。

 

所得税の具体的な計算:会社員、年収800万円、社会保険料100万円、既婚(配偶者の所得が38万以下)の方の所得税

年間給料ー(給与所得控除)ー(所得控除)=(課税所得)

課税所得×所得税率=所得税

の式に同じくあてはめて計算していきましょう。

給与所得控除の計算

給与所得控除を計算してみましょう。年収は800万円ですので、「6,600,000円超10,000,000円以下」に該当します

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
(650,000円に満たない場合には650,000円)
1,800,000円超  3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超   6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超   10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

800万×0.1+120万円=200万円

所得控除の計算

次は所得控除を計算です。所得38万円以下の配偶者がいますので、配偶者控除38万円が適用されます。

基礎控除380,000円+社会保険料控除1,000,000円+配偶者控除380,000円=1,760,000円

課税所得の計算

年間給与、給与所得控除、所得控除がわかったので、課税所得が計算できます。

年間給料8,000,000円-給与所得控除2,000,000円-所得控除1,760,000円=課税所得4,240,000円

税率と年間所得税の計算

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

課税所得は424万円となり、所得税率の表を見ると「330万円を超え695万円以下」となりますので、20%をかけ、42.75万円を引けばよいことになります。

4,240,000×0.2-427,500=420,050(円)

よって、年間所得税は420,050円と計算できました。

年間所得税の具体的な計算を終えて

今回は年間所得税の具体的な計算方法を見て行きました。

納税者の年収によって軽減される額は異なりますし、その他所得控除を受ければ受けるほど所得税は安くなっていきます。

給与所得減税や税率は変えることはできませんが、所得控除については知らなかったがために損をしていることがあるかもしれません。正しい知恵を身につけて節税していただければ幸いです。

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執筆者:たぬ

              

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