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株式投資

先物価格の決まり方

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この記事では、先物価格の決まり方について解説しています。

先物の価格決定には理論値が存在し、理論値を出すための計算式があります。

短期金利・配当利回り・清算日までの日数が絡むこの計算式ですが、何故そのような計算式になるのかを解説しています。

先物価格の決まり方を分かりやすく解説

先物取引の理論価格

先物の価格はどのように決まるのでしょうか?

買いたい人と売りたい人の需要と供給で決まるんじゃないの?

もちろんそうですね。それも正解です。

でも先物取引は原資産があって、その価格に対して「将来いくらで売買します」ということを予め取り決めするシステムなのです。

例えば、日経平均という原資産があり、その日経平均株価に対して先物取引が行われます。

ということは、その原資産に対して先物の価格はそれほど大きくは乖離しないはずです。

実は先物の理論価格は次の計算式にあてはめて算出することができるのです。

現物価格×{1+(短期金利-配当利回り)×(決済までの期日/365日)}

なぜこのような計算式になるのでしょうか?

順を追って解説していきたいと思います。

裁定取引(アービトラージ)

裁定取引とは、同じ価値を持つ2つの商品の価格に歪みが生じた際、高い方を売り安い方を購入し、両者の価格差が縮小または解消された段階で、売った方を買い戻し購入した方を売却し、利益を獲得する取引です

説明だけ聞くと分かりにくいですね。「高い方を売り」という概念は、金融商品を売りから入ったことのない方からすると何のことやらわからないかも知れません。

例えば株式の信用取引だと、株を持っていなくても証券会社から株を借りて市場で売り、後に市場価格が下がった段階で買い戻して証券会社に返却する、といったことを行うことができます。

詳しくは次の記事を参考にしていただければ幸いです。

空売りとは何か?その仕組みとやり方を解説

話が少し逸れてしまいましたが、金融商品の世界では「売り」から入ることが可能です。

そして、同一の価値を持つ2つの商品にある時点で価格差が生じると、その歪みを利用して利益を稼ぐことができるのです。

ここで、「同一の価値を持つ2つの商品」って何なんや?

ということになりますよね。

この記事での解説に使用する2つの商品とは、

株価指数とその株価指数の先物

です。要は原資産と、原資産の先物です。

分かりやすくするために、日経平均株価とその先物商品である、日経平均225先物を例に出して説明していきますね。

日経平均225先物は、清算日には日経平均株価とほぼ同じ価格になります。

日経平均225先物を購入または売却するということは「清算日に日経平均株価を特定の価格で売買する約束」をしたことになります。

もし仮に清算日前日になっても先物と日経平均株価の間に乖離があったならば、例えば日経平均が2万円で日経平均225先物が1万円だったとするならば(そんなことはありえませんが)、みなさんどういった行動を取るでしょうか?

誰でも日経平均225先物を購入するはずです(または日経平均を売りかあ入るはずです)。

なぜなら、1万円で購入した日経平均225先物は清算日に2万円近い値段で売却することができるからですね。

原資産とその先物に価格差が生まれると(先ほどのケースの例だと)、日経平均225先物に大量の買い注文が入る、または日経平均を構成している銘柄に大量の売り注文が入り、日経平均と日経平均225先物の価格差は小さくなっていきます。

これは清算日前日で無くても同じことです。

例えば、清算日2か月前に日経平均が2万円で、日経平均225先物が1万円であっても同じことです。

「2カ月あればひょっとしたら日経平均が大暴落して1万円を切ることがあるかもしれない」

そう思う方もいるかもしれません。

しかしながら、そうしたリスクを避けるために、頭の良い人は次のような行動を起こします。

  1. 日経平均225先物を購入する。
  2. 日経平均を売る。
  3. 清算日(SQ)に日経平均先物を売却し、日経平均を買い戻す。

すると、清算日(SQ)に日経平均がいくらであろうとも、差額の1万円分の利益を得ることができます。

例えば、清算日に日経平均が5000円である場合は、売りから入った利益が1万5千円、日経平均225先物の損失は5千円でトータル1万円の利益です。

清算日に日経平均が3万円になっていたとしても、売りから入った損失は1万円、日経平均225先物の利益は2万円になるため、こちらもトータル1万円の利益となります。

このように、同じ価値を持つ2つの商品の価格に歪みが生じた際に売買を行い利ざやを稼ぐ方法を裁定取引(アービトラージ)と言います。

この裁定取引(アービトラージ)を行う人が市場には多数おり、先物と原資産のうち、安い方には買いが入り、高い方には売りが入るので、実際には株価指数とそれを原資産とする先物の価格差は常に均衡しています。

じゃあ、先物と原資産には価格差は全く生まれないのか、と聞かれれば答えはNOです。

冒頭に述べたように、先物の理論価格は次の式に従います。

現物価格×{1+(短期金利-配当利回り)×(決済までの期日/365日)}

先物の理論価格に金利が含まれる理由

上記の式には短期金利が含まれていますね。

何故金利が式に含まれるのでしょう?

これは先物取引が、あくまで数か月先の原資産の売買価格を約束しているだけであって、実際に資金を動かす必要があるのはSQの日だからです。

例えばあなたが先物取引を行ったとします。決済(SQ)は3ヶ月後です。

3カ月の間、あなたは現金を他のノーリスクの金融商品で運用することが可能になり、その金利分、先物価格は高くなるのです。

違う言い方で言えば、原資産を購入して期日(3カ月)持った場合と、先物を買って期日まで持った場合を比較すると、先物を買った場合の方がその資金を他の金融商品(短期金利)で運用できることになり、有利となります。

市場原理により、有利な商品には買いが集まり、不利な商品は売られます。結果として、先物の値段は現物に比べて金利分高くなります。

つまり、先物価格は、現物価格に満期日までの金利を上乗せされる、ということになるのです。

先物の理論価格に配当利回りが含まれる理由

次に配当金です。

先物の理論価格に配当金が含まれる理由は、金利のそれと同じです。

原資産と先物を比較した場合、原資産は配当金を貰えますが、先物は配当を貰えません。

つまり、先物を購入すると不利になるため(現物を購入した方が有利となるため)、市場原理が働きその分先物理論価格は安くなるのです。

配当金と株価の関係がわからない方にもう少し掘り下げて説明します。

株は配当金が出ると、その分株価が下がります。

例えば、1株1,000円の株が1株あたり10円の配当を出したとしましょう。すると、配当の権利確定日翌日の株価は理論上、10円下がります(もちろん配当以外の要因によって株価は上下しますが)。

もし10円下がらないとすれば、権利確定日引けにその株を購入し、翌日の寄りで売却してしまえば、タダで配当金を貰えることになりますからね。

つまるところ、配当金に関しても先物と原資産のうち有利な方には買いが入り、不利な方には売りが入るため配当金が貰えない先物の方が安くなってしまうのです。

先物取引では配当金は貰えているのか

そんなわけで配当の貰えない先物ですが、価格に配当金が反映されていますので、原資産より不利になることはありません。

先物は限月があります。日経平均先物の場合は3・6・9・12月ですね。

この限月間、例えば3月限月先物(仮に3/20にSQを迎えるとする)と6月限月先物の間で配当分の下落が生じます。

これにより、ロールオーバー時には原資産よりも配当金分安く先物が購入できることとなり、実質的に配当金を貰えることになります。

先物価格の決まり方まとめ

このように、先物の理論価格には次の3つの要因が絡みます

  • 配当利回り
  • 金利
  • 清算日までの日数

そして先物の理論価格を表す式は次のようになります。

現物価格×{1+(短期金利-配当利回り)×(決済までの期日/365日)}

先物取引は原資産があります。

その原資産を、将来の一定の時点においての価格を決めて取引するのが、先物取引です。

つまり、原資産と先物は常に「どちらが投資を行うのに有利な価格であるか」を常に見比べられることとなり、両者の間の価格に歪みが出た時点で裁定取引(アービトラージ)が行われるため、理論価格をはずれた大きな差異は生まれないのです。

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執筆者:たぬ

              

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