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株式投資

レバレッジをかけられるETFの仕組みと注意点

投稿日:2018年11月13日 更新日:

てこ

今回の記事はレバレッジETFの仕組みと注意点について解説を行います。

私は現在、米国のインデックス投資をレバレッジをかけて行っておりますが、一言で「インデックス投資にレバレッジをかける」と言っても、レバレッジのかけ方には様々な方法があります。

今回はインデックス投資でレバレッジをかける手法のうち、レバレッジETFを購入することのメリットとデメリットについて解説をいたします。

レバレッジをかけられるETFの仕組み

レバレッジをかけられるETFとはそもそも何でしょうか?

簡単に言ってしまえば、1日の株価の動きが、基準となる株価指数の数倍(多くは2~3倍)になるETFのことです。

例えば、ある日基準となる株価指数が1万円から1万100円へと、1%値上がったとします。

この時、2倍型レバレッジETFの株価は2%値上がります。

逆に、1万円から9900円へと、1%値下がりをした場合は2倍型レバレッジETFの株価は2%下がります。

自分の思い通りに相場が動いた時は、通常のインデックス投資を行うよりも多くの利益を得ることができますし、思惑と異なる方向へ動いた場合は大きな痛手を被ります。

つまりはハイリスクハイリターンな取引となります。

ETFにはブル型とベア型がある

レバレッジETFに限った話ではないのですが、ETFにはブル型とベア型と呼ばれるものがあります。

ブル型は基準となる株価指数が上昇すれば、基準価格も上昇するETFです。

一方、ベア型とは、株価指数と逆の動きをするETFになります。つまり、ベア型は基準となる株価指数が下落すれば、ETFの基準価格が上昇します。

ですので、市場が弱く下落が見込まれる相場でベア型のETFを購入し、思惑通り基準となる株価指数が下落をすれば資産を増やすことができます。

ブル型・ベア型の名前の由来

因みに何故「ブル」と「ベア」という名前がついているかを簡単に解説します。ブル(BULL)とベア(BEAR)を日本語に訳すとそれぞれ雄牛と熊です。

雄牛は敵と戦う時、下から上へ頭を突き上げるように攻撃をします。一方熊は上から下へ腕を振り下ろして攻撃をします。

それぞれの攻撃方法が、株価のチャートが上昇している時・下降しているときと類似していることから、株価が上昇している時に基準価格が上がるETFをブル型、逆に株価が下落している時に基準価格が上がるETFをベア型と呼んでいます。

また、ベア型はインバース型とも呼ばれます。インバースは日本語に訳すと「逆」「反対の」という意味を持ち、つまりは基準としている株価と逆の動きをするETFのことを指します。

レバレッジETFのブル型とベア型

このようにブル型とベア型(インバース型)があるETFですが、ブル・ベア両方の型にレバレッジ型ETFが存在します。

例えば、2倍型のブル型レバレッジETFを購入し、基準となる株価指数が上昇すると、その倍ETFの価格は上昇します。

また2倍型のベア型レバレッジETFを購入するし、基準となる株価指数が下落すると、その倍ETFの価格は上昇します。

レバレッジをかけられるETFにはどのような種類があるのか

レバレッジETFの購入を検討する時、我々の多くは日本人ですので、日本国内に上場しているETFの購入を検討することでしょう。

国内ETFの場合、対象となる指数は日経平均とTOPIXが殆どです。

唯一、米国株を原資とするのが2040「NEXT NOTES NYダウ・ダブル・ブル・ドルヘッジ ETN」になります。

1356 TOPIXベア2倍上場投信
1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
1358 上場インデックスファンド日経レバレッジ指数
1360 日経平均ベア2倍上場投信
1365 ダイワ上場投信-日経平均レバレッジ・インデックス
1366 ダイワ上場投信-日経平均ダブルインバース・インデックス
1367 ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数
1368 ダイワ上場投信-TOPIXダブルインバース(-2倍)指数
1458 楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型
1459 楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型
1464 ダイワ上場投信-JPX日経400レバレッジ・インデックス
1466 ダイワ上場投信-JPX日経400ダブルインバース・インデックス
1467 JPX日経400ブル2倍上場投信(レバレッジ)
1469 JPX日経400ベア2倍上場投信(ダブルインバース)
1470 NEXT FUNDS JPX日経400レバレッジ・インデックス連動上場投信
1472 NEXT FUNDS JPX日経400ダブルインバース・インデックス連動上場投信
1568 TOPIXブル2倍上場投信
1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信
1572 中国H株ブル2倍上場投信
1573 中国H株ベア上場投信
1579 日経平均ブル2倍上場投信
2040 NEXT NOTES NYダウ・ダブル・ブル・ドルヘッジ ETN

私が行っているのは米国株のインデックス投資にレバレッジをかける手法です。

レバレッジをかけないので良いのであれば、国内上場ETFにも海外の指数を採用したETFはたくさんありますが、米国株を対象とした「レバレッジETF」は選択肢がありません。

米国株を対象としたレバレッジETFをしようと思うなら、楽天証券・マネックス証券・SBI証券で口座を開設し、海外ETFの取引を始めるのが最も簡単です。

3つの証券会社で購入することのできる海外のETFをいくつか紹介したいと思います。

ティッカーシンボル 名称
SPXL Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF
SPXS Direxion デイリーS&P500ベア3倍 ETF
TNA Direxion デイリー米国小型株ブル3倍 ETF
TZA Direxion デイリー米国小型株ベア3倍 ETF

基本3倍なんですよね。

2倍型よりもさらに値動きが激しくなります。

国内の証券会社で海外ETFを購入しようとすると、ここで限界です。

私の場合、海外レバレッジETFは今のところ購入していませんが、インタラクティブ・ブローカーズ証券の口座を開いて、海外株式の取引を行っています。

もちろんインタラクティブ・ブローカーズ証券では海外レバレッジETFが多数用意されていますので、本腰を入れて投資を始めようと思われる方は、口座を開設されることをオススメいたします。

レバレッジをかけられるETFを購入する際の注意点・レバレッジETFと減価

さて、ここからが本題です。

レバレッジETFを購入して価格変動が2倍になるのは、あくまで1日単位の話であり、投資期間が2日以上になると変動率は2倍にはなりませんよ、というお話です。

レバレッジETFは減価する

基準となる株価指数が上昇または下降する日が続くと、レバレッジETFには+に働く

仮に購入したブル型2倍ETFの基準となる株価指数が3日連続で1%上昇した時、ETFの株価はいくら上昇するでしょうか?

まずは基準となる株価指数が何%上昇したかを計算します。

計算式:1.01×1.01×1.01=1.030301

となり、3日間で3.0301%の上昇です。

一方ブル型2倍ETFは何%上昇するでしょうか?

直観的には倍の6.0602%と考える片が殆どではないでしょうか?しかしながら、実際には下記の計算式に従います。

計算式:1.02×1.02×1.02=1.061208

となり、3日間で6.1208%の上昇となります。2倍以上、上昇してますね。これは複利効果が働くためで、上昇する日が連続して続けば続くほど、上昇率は2倍から上に離れていきます。

では逆に基準となる株価指数が3日連続で1%減少した場合はどうでしょうか?

株価指数は0.99×0.99×0.99=0.970299

元値の97.0299%となり、2.9701%の下落となります。

一方2倍のレバレッジをかけたETFは

0.98×0.98×0.98=0.941192

と計算でき、元値の94.1192%、すなわち5.58808%の下落となり、株価指数の下落幅の倍である(2.9701%×2)5.9402%より下げ幅は小さくなります。

基準となる株価指数が上昇と下降を繰り返すと、レバレッジETFには不利に働く

これだけ教えられると、「レバレッジETFは上昇しても下落してもお得な投資方法」と思ってしまうかも知れません。

しかし、基準となる株価指数が1%の下落と1%の上昇を交互に繰り返した場合はどうなるでしょう?

4日間で、1%の下落⇒1%の上昇⇒1%の下落⇒1%の上昇と推移した場合を見てみましょう。

1×0.99×1.01×0.99×1.01=0.99980001

元値より0.019%の下落が見られます。

一方、2倍のレバレッジETFでは

1×0.98×1.02×0.98×1.02=0.99920016

元値より0.079%の下落となります。

基準となる株価指数の2倍よりも下落幅が大きいことは明白です。

このように上昇と下落を繰り返す相場においては、基準となる株価指数よりもETFの価格は不利に働いてしまいます。このことを減価と言います。

基準となる株価指数が上下することによって、その株価指数に対応したレバレッジ型のETFはこの減価を受けてしまうのです。

レバレッジをかけられるETFの実際の値動き

計算式だけでは分かりにくいと思いますので、実際にチャートを見ながら解説をしていきたいと思います。

次の2枚の図のうち、1枚目の画像は過去5年間の日経平均のチャート、2枚目の画像は過去5年間の「1579ETF日経平均ブル2倍上場投信」のチャートになります。

それぞれ似たようなチャートにはなっていますが、果たして値上がり率はどのくらい差異がでているのでしょうか?

日経平均のチャート

1579のチャート

1枚目日経平均の2014年1月6日の始値は16147.54円、2018年11月1日の終値は21687.65円と、34.309%の上昇がみられました。

一方「1579ETF日経平均ブル2倍上場投信」の場合はどうでしょう?

2014年1月6日の始値は12110円、2018年11月1日の終値は19770円で、63.2535%の上昇が見られます。

ブル2倍型ですので、2倍の値上がり率を期待したいところですが、実際には1.84倍ほどの値上がり率となっています。この差が減価です。

日経平均と1579を比較したグラフを見てみましょう。青色が日経平均、赤色が1579のグラフです。

言わずもがな、日経平均が上昇時には1579は大きな上昇をしますが、下落時や上下を繰り返す場合は減価により、価格は下がってしまいます。

レバレッジをかけるETFは長期投資に不利なのか?

ここまで聞くと、レバレッジ型ETFは長期投資に不利なのではないかと考える方もいるでしょう。

多くの株式は上下するものですから。

しかしながら下げや上げが連続する場合は、複利効果で2倍以上の値上がりを期待できます。

減価と複利効果、どちらが優位に働くかによって、レバレッジ型ETFが長期投資で優れたパフォーマンスを生み出すかどうかが決まります。

レバレッジ型ETFが長期投資に向いているのか、向いていないのかについては賛否両論ありますが、分かりやすい記事が2点ありますのでそちらを見ていただければと思います。(肯定的な意見と否定的な意見、2つリンクを貼っています)

レバレッジETFが長期投資に有利とする記事

1つ目の記事では、S&Pに3倍レバレッジをかけるETFを1950年から現在まで投資した場合の実績を示してくれています。

それによると、S&Pにレバレッジをかけなかった場合は年利平均10.4%なのに対し、3倍レバレッジのETFは年利平均22.6%をたたき出しています。

年利で見れば差は2倍ちょっとですが、68年積み重なると、3倍レバレッジETFはレバレッジをかけなかったETFと比較すると、リターンは1000倍になります。

超低リスクで2億円を手にするレバレッジETFによる超長期投資法とは?

レバレッジETFが長期投資に不利とする記事

こちらの記事では、1987年から、S&Pに3倍のレバレッジをかけた場合のシミュレーションを示してくれています。

結果としては、2000年の頃の高値を2018年になっても抜けていない為に、「長期投資には向いてない」という結論に至っています。

SPXLの長期保有はアリかナシか|米国株のレバレッジ投資の注意点を長期チャートで分析

レバレッジをかけられるETFが長期投資に有利なのか不利なのか、私の考え

これから言うことは、本当に当たり前のことだけですが・・私の意見はこうです。

長期的に上昇する株価指数に対して、レバレッジETFを購入し長期で保有することは選択する銘柄によっては極めて有効であると考えます。

例で見たように、超長期で見ればS&Pが年利10%であるのに対して、その3倍レバレッジETFは22%以上の年利平均を叩きだしているのですから、レバレッジETFは今までは圧倒的に有利であったわけです。

しかしこれはあくまで「今までは」なわけで、ここから先同じようにそのETF(の基準となる指数)が上昇を続けるかは予測でしかありません。

予測が外れ、長期にわたり下落を続けるようなことになってしまえば、その下落幅は悲惨なものとなるでしょう。つまりはハイリスクハイリターンですねw

ですので、あなたがもしそのレバレッジETFの原資となる指数が長期的に上昇をすることを確信できるのであれば、リスクをとって投資を行えば良いと思います。

私はこれから先も米国株を原資とする株価指数は長期的に上昇を続けると考えていますので、私にとっては「レバレッジETFの購入は極めて有効」となります。

ただし日経平均のレバレッジETF等は、日本の株を原資とする株価指数の未来は明るいとは思っていませんので、私にとっては「リスクが高すぎて長期投資には向かない」と考えています。

レバレッジをかけるETFの特徴・信用取引とは何が異なるのか

最後に、インデックス投資をレバレッジETFで行うのと、信用取引やCFD等でレバレッジをかけることとの違いを説明したいと思います。

例えばレバレッジ2倍ETFは株式の上下による減価があるため、投資期間が2日以上の場合は、基準となる指数の2倍の値動きをするわけではないことは説明してきた通りです。

一方で、信用取引やCFDで資金の2倍分のインデックス投資を行えば(諸費用を考えなければ)、株価の値動きは基準となる指数の2倍になります。

また、レバレッジETFの場合は基準となる指数がいくら下がっても最大の損失額は投資した金額のみであり、売却をしない限り元値に戻る可能性は常にあります。しかしながら、信用取引やCFDの場合は株価の下落により、強制決済されてしまうことがあるため、追加できる手持ちの資金が無ければ投資はその段階で終わりです。

すなわち、レバレッジETFは株の現物取引と同様に持ち続けている以上は(倒産しない限り)投資を続けられるというメリットがありますが、長期投資をすることにより減価してしまい、CFDや信用取引と同じだけレバレッジをかけていても、最終的な利回りは低くなります。

利回りの低下と引き換えに、強制決済で退場というリスクを取り払っている、と言えるでしょう。

このように、一見値動きが荒く危険に思えるレバレッジETFですが、信用取引やCFDと比較するとリスクとリターンは低くなっています。

インデックス投資だけだと値動きが緩くて資産形成のスピードに不満が残る、と思われる方はレバレッジETFを活用したインデックス投資を考えてみてはいかがでしょうか?

-株式投資
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執筆者:たぬ

              

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